2014年7月24日 (木)

47 【図】の局面で伊藤奨励会1級が7分の時間を使い、昼食休憩の時間に入った。

綺麗にまとまっている先手陣に対して、後手陣は傷が多くどうまとめるか難しい。しかし、先手の消費時間1時間30分に対して、後手はまだ22分の時間しか使っていない。得意にしている戦型、これで大丈夫だと経験則的に分かっているような時間の使い方である。

13時の対局再開後、更に激しい展開となりそうだ。

Imgp0973_2 (昼食休憩の時間、中井女流六段は横で行われていた対局の感想戦を遠くから見ていた)

Imgp0958 (11時頃の記録用紙。後手・伊藤奨励会1級側は持ち時間を1分も消費せずに指し手を進めているので、36手目まで消費時間欄は空白が続いている)

まだ午前中だが、残り時間に早くも43分の差が付いた。持ち時間が3時間の将棋で、43分の差は大きい。難解な終盤戦に入った時、もしかしたら中井女流六段が一方的に時間で苦労する展開も考えられるところだ。
これも、先ほど勝又六段が語っていた「自分の得意形に持ち込むメリット」なのかもしれない。

39 伊藤奨励会1級が初めて時間を使ったのは【図】の局面。
角の利きをいかした△3五歩▲同歩△3六歩の仕掛けに備えて、先手が▲2七飛と角のラインから逃れたところだ。

ここで伊藤奨励会1級は約20分考えて、△3五歩と果敢に仕掛けていった。先手が受けの手を指して待ち構えているところだったが、そこで仕掛けていくのは非常に強気な指し手。伊藤奨励会1級の積極的な棋風が全面に出ている将棋になってきた。

※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。

Imgp0921_3 (対局開始時の伊藤奨励会1級。本戦1回戦に続き、自身が得意とする力戦矢倉の形に持ち込んだ)

【参考棋譜】
第3期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント 鈴木環那女流二段 対 伊藤沙恵奨励会1級


中継室を訪れた勝又清和六段は、【図】の局面を見ると「お、伊藤さんはいつものやつですね。この戦型を指すメリットですか?自分が経験豊富な得意形に持ち込めるというのは、十分なメリットでしょう」とコメントをくれた。

26 ※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。

Imgp0875 (中井女流六段は、開始時刻の10分前に対局室へ到着。記録係に、どちらの席に座ればよいかを確認してから着席した)

Imgp0880_2 (対戦相手を待つ間、中井女流六段は目を閉じながら集中を高めていた。伊藤奨励会1級が到着すると、「上座で失礼します」と簡単なやり取りが交わされてから、すぐに対局の準備が開始された)

Imgp0903 (伊藤奨励会1級。1回戦では鈴木環那女流二段に勝利して、2回戦進出を決めた)

Imgp0925 (両者とも、駒の並べ方は大橋流)

Imgp0931 (振り駒の結果は「歩」が4枚。中井女流六段の先手が決まり、対局が開始された)

Imgp0956 (対局室の光景。本局が行われている銀沙は、本局の横でも対局が行われている)

※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。

Imgp0862 第4期リコー杯女流王座戦は、本戦2回戦が進行中。
7月24日(木)は、中井広恵女流六段と伊藤沙恵奨励会1級による対局を中継いたします。
場所は東京・将棋会館、対局開始は10時。持ち時間は各3時間で、先後は振り駒によって決められる。

Imgp0864 (本日の東京は、真夏日の予報。朝の天気は曇りだが、既に凄い暑さを感じる日となっている)

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本局の棋譜・コメント入力は紋蛇が、ブログを梅が担当いたします。
1日、どうぞ宜しくお願い致します。