図は11時7分の局面。後手はオーソドックスな金無双に構えています。一方の先手も金無双風ですが、5八飛と6八金の並びが異様です。2八銀・2九桂・3八玉・4八金・5八飛・6八金の6枚の配置で部分検索したところ、データベース上の前例は2局しかありませんでした。後手番として検索しても数例しかなく、かなり凝った駒組みです。福間女流王座の中飛車作戦は柔軟かつ独創的で、今回も新たな型を披露しました。
一般的な金無双は、玉のコビンが急所のひとつで、△4六歩や▲6四歩が刺さることがあります。特に今回の先手は左金が4筋に利いていないため、コビンの弱さが気になります。▲5七金左と使っていくことになるでしょうか。西山女流二冠としても、あまり相手をしたことのない形でしょうから今後の方針に悩むかもしれません。
2025年10月22日 (水)
