2023年12月 5日 (火)

20231205_0381図は▲5五歩△同歩▲同飛に△4五歩と後手が反発した局面。以下▲5九飛は△4六歩で先手が少しつまらないでしょうか。実戦は1図から▲5三飛成△同金▲4五桂△4四角▲5三桂成△同角▲6五歩(2図)と先手が踏み込み、▲金銀△飛車桂の交換になりました。あまり見かけない変化です。

20231205_0452図以下の展望ですが、先手は手持ちの金銀と盤上の角を使い、▲5四歩との組み合わせで食いつきを目指すことになりそうです。後手は相手の面倒を見つつ、飛車を生かして戦います。後手の攻めがすぐに届くわけではありませんが、先手もあまりゆっくり攻めるわけにはいきません。穴熊は堅さだけではなく、相手の攻めから遠い、という長所があります。

Dsc_8309(初手▲5六歩)

Dsc_8311(加藤女流四段は序盤から指し手が早かった)

Dsc_8322

現地では指導対局が行われています。みなさん、タブレットで記録をとったり、昔ながらの棋譜ノートを使ったりとさまざまでした。

Dsc_8527(小山怜四段は2面で指導)

Dsc_8473(中村真女流四段)

Dsc_8498(野原女流初段)

20231205_035戦型は先手中飛車、後手居飛車の対抗形。里見女流王座は第1局から3局連続で中飛車です。加藤女流王座は今回初めて穴熊を採用しました。10時56分、まずは▲5五歩(図)で歩がぶつかりました。関係者控室では、近藤正七段が先手、木村九段が後手を持って検討しています。近藤正七段はゴキゲン中飛車中飛車の創始者。木村九段は居飛車党です。

Dsc_8383(関係者控室、近藤正七段=左と小山怜四段)

Dsc_8353(中村真女流四段=左と清水市代女流七段)

Dsc_8421(▲5五歩のあたりで検討陣は交代。木村九段)

Dsc_8450(木村九段の前には近藤正七段)

10時30分のおやつです。
里見女流王座 りんごジュース、ぶどうジュース、ホットティー
加藤女流四段 アイスティー、ラ・フランスジュース

Dsc_8406(里見女流王座)

Dsc_8393(加藤女流四段)

里見女流王座は9時49分、加藤女流四段は9時53分に入室。定刻の10時に対局が始まりました。

Dsc_8216 

Dsc_8272_2(里見女流王座は勝つと防衛)

Dsc_8227(まずは1勝を返したい加藤女流四段)

Dsc_8262 

Dsc_8293

おはようございます。天童市は晴れ。予想最高気温は10度です。

10:00 対局開始
10:30 午前のおやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開
13:30 現地解説会開始
14:30 午後のおやつ

Dsc_8195(ホテル南側の景色、春に人間将棋が指される舞鶴山が見える)

2023年12月 4日 (月)

対局者が退場したあとに、関係棋士たちによる見どころ紹介がありました。

Dsc_7947(木村九段)

木村「五番勝負は長いようでやると短い。うまくいっているはずなんだけど、うまくいっていないもどかしさがあるのがいまの加藤桃子さんの状況でしょうか。内容としては2局とも加藤さんが押していたように個人的には感じました。2局目と3局目の間があいていたので、気持ちの切り替えはできていると思います。第3局で里見さんが勝てばおしまいですが、加藤さんが勝てば急に流れが変わることも十分あり得ると思っています」

Dsc_8009(岩手県出身の小山怜四段)

小山「加藤さんとは竜王戦で対戦したことがあります。序盤から研究されていて攻め将棋だなというイメージがありましたが、今シリーズは冷静な手が目立つように見えましたので、第3局はどうなるのでしょうか。里見さんの将棋はいつ見ても勉強になります」

Dsc_8035(真田女流三段)

真田「明日は対局者のいちばん近くにいるので、対局者が気を遣わないように空気のように無になって務めたいと思います」

Dsc_8051(中村真女流四段と野原女流初段)

野原「天童は10回ぐらいきていると思います。先ほど時間があったので天童駅まで歩いてみました。天童は道に詰将棋があって、解きながら歩いていました」

中村「先ほど対局者とお話をさせていただきました。里見女流王座は非常に自然体というかやわらかな表情で、最近の充実ぶりが出ていらっしゃる感じましたし、いい緊張感でおられると思いました。加藤女流四段は硬いのかなと思われましたが、お子さんたちとのフォトセッションのときに笑顔を見せられていて。加藤女流四段はそういった状況をパワーに変えていくタイプですので、明日は大熱戦になるのではないかと思っております」

Dsc_8153(中締め 伊賀上真弓リコージャパン株式会社山形支社長)

「リコー杯女流王座戦を初めて山形県で開催できたことをうれしく思います。現在2連勝されている里見さんに、挑戦者の加藤さんが連勝をストップさせて巻き返しをはかるのか。二人の熱い戦いを大変楽しみにしております。明日は将棋イベントを開催します。事前お申し込みがおかげさまで満員御礼です。会場にこられない方はリコーのライブ映像がございますので、オンラインでご参加いただければと思います」


以上で本日のブログ更新を終わります。
明日もよろしくお願いします。

里見女流王座と加藤女流四段は明日の抱負を語り、地元で将棋を学ぶ子どもたちと記念撮影をしました。その後、明日に備えて会場をあとにしました。

Dsc_7784(里見女流王座)

「天童市には何度か伺わせていただいております。中でも高校生のときの人間将棋がいい思い出で、桜が満開で美しい景色とおいしいご飯をいただきました。今回は対局者として来ることができてうれしく思っております。明日は自分の力をすべて出し切れるように精一杯頑張りたいです」

Dsc_7842(加藤女流四段)

「天童市には4月に人間将棋でお世話になりました。桜が咲いている中で人間将棋を指すことができてすごく光栄でした。女流王座戦は星取り的にはあまりよくない状況ではありますが、明日は自分の力を信じたいと思いますし、一局でも多く指せるように頑張っていきたいと思います」

Dsc_7878(天童市の子どもたちと)

Dsc_7889