里見女流王座が角を目標にして攻め、△8九歩成(106手目)で角が取れる形になりました。後手は角を取れば駒得になり、先手は貯金を失います。依然として竜の働きは後手に分があり、加藤女流四段は主張の少ない展開になっています。数少ない急所である端を狙ってどうか。実戦は▲1四竜△2四歩▲9四歩△8四歩▲9六香△8二玉と進みました。
加藤女流四段が端に集中砲火を加えて突破できる形になりました。中川八段は「△8四歩が損な手で、加藤さんがまた少し盛り返しましたね」と話します。「2人とも残り時間が少なくなって混戦です。悪い手ばかりたくさんあるような状況で、最善じゃなくても悪い手を指さないような粘り強さが必要ですね」。先の長い戦いになるか、どちらかが踏み外して差がつくか。スリリングな展開になっています。