2022年12月23日 (金)

防衛インタビュー

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――改めて防衛おめでとうございます。今の率直な感想を。
里見 こちらから動いていく将棋だったんですけど、ずっと難しくて、途中こちらから崩れてしまってからは、ずっと苦しい時間が長かったんですけど……。最後は本当に指運という感じだと思います。すごく苦しい将棋だったので、そういう将棋を逆転できたのはよかったのかなと思います。
――先ほど課題が多かったシリーズという話があった。
里見 勝負どころでパッと指してしまう悪いクセがついてしまったというか……。それで形勢を損ねてそのまま負けにする将棋だったので、そのあたりがすごく悔いが残る将棋だったかなと思います。
――今年は対局スケジュールが過密だった。体調を心配する声も多かったと思う。
里見 体調管理はすごく自分なりに気をつけていたつもりだったんですけど、免疫力が落ちていたのか、あと久しく風邪をひいていなかったので、1週間くらい寝込んでしまって、関係者の方や対局者の方にご迷惑をかけてしまって申し訳ないという気持ちでした。ただ、1年間を通して対局が多い中でコンディションを整えて戦う難しさを去年より強く実感する……特に女流王座戦は今年最後のタイトル戦でしたし、そういうことを実感していました。
――秋には棋士編入試験もあった。これからモチベーションで何を目指すかというところはあるか。
里見 やっぱり短期的じゃなくて、ずっと長期的に自分の力を発揮できるような状態でいることがすごく難しいんだなと実感したので、体力面も含めてそのあたり、課題の多い一年だったかなと思います。

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――2022年は八大タイトル戦すべてに出られた年だった。どのような生活だったか。
里見 やっぱり対局が多いことはすごく幸せなことだと思うんですけど、ずっと対局が続いていく中で自分のコンディションを維持することの難しさを経験させていただいた一年だったかなと思います。
――ずっと気が張っていたのではないか。
里見 周りの家族ですとか、気を遣ってくれたり、自分なりにリフレッシュもしてたつもりだったんですけど……。今年の経験を来年に生かしてやっていけたらと思っています。
――そうした一年を乗り越えられたという自信、実感はあるか。
里見 女流王座戦が最後のタイトル戦で最後の気力を振り絞ってという感じだったんですけど、内容はあまりよくなかったと思うので、やっぱりコンディションづくりがすごく難しいなと感じました。
――コロナから回復して後遺症はなかったか。
里見 1ヵ月くらいだるさが続いている感じだったんですけど、これを機に多少免疫力もついたというか、アップしたと思うので、前向きに捉えることができたかなと思います。

――棋士編入試験が終わってから気持ちの面で変化はあったか。
里見 すごく調子のいいときもあって、自分の実力以上のものが出ている時期もあったんですけど、波が激しいところがあるので、なるべく疲れは引きずらないように、これからそこを課題として勉強していけたらと思っています。
――今やりたいことがあれば。
里見 あまり振り返る時間がなかったので、今年一年いろいろありましたし、ゆっくり振り返って、ゆっくりした時間を過ごせたらと思っています。

――来年の目標が具体的にあれば。
里見 戦う体力をつけていきたいなということがパッと思いつくことなんですけど、目標ってころころ変わっていくものだと思うので、この年末年始でゆっくり考えて整理していけたらと思っています。

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