感想戦終了後、里見女流王座と加藤女流三段による記者会見が行われました。
――挑戦者となりました加藤桃子女流三段に、今期の五番勝負への抱負や意気込みを聞きたいと思います。
加藤 挑戦者になりました加藤桃子です。リコー杯女流王座戦は思い入れのある棋戦といいますか、最初に取ったタイトルで愛着のある棋戦です。挑戦者になることができてうれしく思いますし、里見女流王座とタイトル戦を戦うことができるのは光栄なことです。この間もタイトル戦を戦いましたがまた戦えるということで、喜びを感じています。開幕まで時間がありますが、少しでも強くなれるように精進したいと思っています。
――続きまして、里見女流王座に加藤女流三段の印象と、女流王座では通算6期を目指す番勝負です。防衛への意気込みや抱負をお願いします。
里見 加藤さんの印象は、今日の将棋もそうですが、果敢に攻めて勢いある将棋だと思っています。五番勝負ですが一局一局自分の力を出しきれるように一生懸命頑張っていきたいと思っています。
――加藤女流三段は今回、クイーン王座のかかる五番勝負になります。それに向けての意気込みをお願いします。
加藤 先ほどクイーン王座のかかる五番勝負と知ったのですが、タイトルを持っていたときはとても意識していました。なれたら光栄なことなので、意識するのは当然だと思いますが、現在の気持ちとしては挑戦者になれたことだけでもとてもうれしくて、これからどう戦っていくかを考えていく途中です。クイーン王座は狙えたら狙っていきたいと思っています。
――里見女流王座に五番勝負に向けての抱負をお願いします。
里見 今期から地方対局を開催していただけるので、うれしく楽しみにしています。リフレッシュにもなると思いますので、体調管理に気をつけて力を出しきれるようにコンディションを整えたいと思います。
――清麗戦から間もないタイトル戦になります。残念ながら結果は失冠となりましたが、その教訓をどのように生かそうとお考えでしょうか。
加藤 失冠が先月でした。教訓といいますかそうしたものを盤上に表現できたらと思いますが、清麗戦は3局で終わってしまったので、なんとか1局でも多く指せたらと思っています。
――清麗戦で負けてからすぐ挑戦できたのはどのように思われますか。特にタイトルホルダーの西山白玲・女王に勝って挑戦したことへの思いをお聞かせください。
加藤 1ヵ月でよく立て直したなと我ながら思っております。逆にいうと、これしかないという気持ちで追い込んだところがあったので挑戦者になれたのはうれしく、今日だけは思い切り喜びたいと思います。でも、タイトル戦が始まるので、明日から1秒も無駄にしないように、考えながら生活していきたいと思います。
――これまでのタイトル戦で、挑戦者として挑む場合と防衛側で迎え撃つ場合で、違いがあればお聞かせください。
里見 立場は変わっても、変わりません。
加藤 私は若干変わると思っていて、挑戦者だと勢いよく指すことができると感じていて、そう感じているのは未熟な部分かもしれません。里見さんのように安定した強さを発揮できるよう頑張りたいと思います。
――王位戦で牧之原市に戻られてモチベーションになりましたか。
加藤 王位戦は牧之原市で開催してくださりありがとうございます。盛り上がったと思いますし、開催いただいたことがうれしく、注目いただけたことも喜ばしいです。牧之原市にうかがいましたが、市長さんに「頑張ってください」と声をかけてくださり、記念品もいただきました。地元の方の声援が励みになって挑戦者になれた部分もあったと思います。
(書き起こし=銀杏、撮影=文)