2020年12月14日 (月)
勝負手が必要な局面
手厚い先手陣
五番勝負を振り返る(2)
1勝1敗で迎えた第3局は12月1日(火)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われました。
戦型は里見香女流四冠の中飛車、西山女流王座の三間飛車でした。里見香女流四冠は向かい飛車に振りなおしたあと、▲8五桂と単騎の桂跳ねで端攻めを狙います。
端の小競り合いが続く中、△7三玉が力強い受けの一着でしたが、▲8五歩△同歩▲9五歩が厳しい攻めでした。以降は先手の攻めがつながり、里見香女流四冠の快勝となりました。
里見香女流四冠が奪取に王手をかけた第4局は12月9日(水)に東京・将棋会館で行われました。
西山女流王座に強烈な一着が出ます。▲6五桂が攻めをつなげるうまい手でした。△6五同角は▲6三金なので△6四銀と取りましたが、▲同金△7五香▲5四金となって手が続く格好になりました。以降は西山女流王座が押し切っています。
ともに持ち味を出し合い、五番勝負は2勝2敗のフルセットに持ち込まれました。泣いても笑っても本局で決着がつきます。
五番勝負を振り返る(1)
10月28日(水)に女流王座戦五番勝負第1局が東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われました。振り駒の結果はと金が3枚。里見香女流四冠の先手です。 戦型は意表の相中飛車でした。このあと里見香女流四冠は居飛車に振りなおし、対抗形の将棋に戻ります。
西山女流王座が中段玉で粘る里見香女流四冠を振り切り先勝。防衛に向けて好スタートを切りました。
第2局は11月10日(火)に東京都港区「明治記念館」で行われました。
戦型は西山女流王座の三間飛車に。里見香女流四冠は舟囲いから急戦策で迎え撃ちました。
中盤で放たれた△8一歩が激辛流の一着でした。以降も里見香女流四冠は丁寧に西山女流王座の攻めを受け止めたあと、素早く反撃に出て寄せきりました。