2020年12月14日 (月)

2020121483 形勢は里見香女流四冠がはっきり優勢になりました。控室の検討陣から「早い終局もあるかもしれない」という声も上がります。

Dsc_0259 (午後から上村五段(左)も控室に来訪している)

2020121475 15時の局面です。形勢は依然として里見香女流四冠よしの評判です。△6四香▲7五角△6七香成▲同金△7八銀が部分的に厳しい攻めですが、以下▲8八飛△6七銀成▲6五桂で「あとひと押しが難しい」(阿久津八段)とのことです。「後手は勝負手が必要」とも見られています。西山女流王座はひねり出せるでしょうか。

Dsc_0246 (苦戦と見られている西山女流王座)

2020121458_2 昼食休憩明けの局面から西山女流王座が1筋を突き捨てて△2五歩と打ちました。▲3五銀から飛車を取りにいく順もありそうでしたが、里見香女流四冠は冷静に▲1七銀と引きました。西山女流王座の無理攻めを誘います。

2020121463_2△2四角と6八金を狙った手にも▲4六銀と打ち、スペースを埋めて大駒に圧力をかけます。歩得を生かして局面を収めにいく方針です。

2020121471_2 手を尽くして西山女流王座は1筋を突破しましたが、▲3一角が金取りと▲1三角成を見たよさそうな一着。馬を作れば先手陣がさらに手厚くなりそうです。形勢は里見香女流四冠よしと見られています。

Dsc_0244001 (里見香女流四冠は落ち着いた指し回しを見せている)

1勝1敗で迎えた第3局は12月1日(火)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われました。

2020120133 戦型は里見香女流四冠の中飛車、西山女流王座の三間飛車でした。里見香女流四冠は向かい飛車に振りなおしたあと、▲8五桂と単騎の桂跳ねで端攻めを狙います。

2020120162 端の小競り合いが続く中、△7三玉が力強い受けの一着でしたが、▲8五歩△同歩▲9五歩が厳しい攻めでした。以降は先手の攻めがつながり、里見香女流四冠の快勝となりました。

里見香女流四冠が奪取に王手をかけた第4局は12月9日(水)に東京・将棋会館で行われました。

20201209106 西山女流王座に強烈な一着が出ます。▲6五桂が攻めをつなげるうまい手でした。△6五同角は▲6三金なので△6四銀と取りましたが、▲同金△7五香▲5四金となって手が続く格好になりました。以降は西山女流王座が押し切っています。

ともに持ち味を出し合い、五番勝負は2勝2敗のフルセットに持ち込まれました。泣いても笑っても本局で決着がつきます。

10月28日(水)に女流王座戦五番勝負第1局が東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われました。振り駒の結果はと金が3枚。里見香女流四冠の先手です。2020102818 戦型は意表の相中飛車でした。このあと里見香女流四冠は居飛車に振りなおし、対抗形の将棋に戻ります。

20201028124_4西山女流王座が中段玉で粘る里見香女流四冠を振り切り先勝。防衛に向けて好スタートを切りました。

第2局は11月10日(火)に東京都港区「明治記念館」で行われました。

2020111029 戦型は西山女流王座の三間飛車に。里見香女流四冠は舟囲いから急戦策で迎え撃ちました。

2020111060中盤で放たれた△8一歩が激辛流の一着でした。以降も里見香女流四冠は丁寧に西山女流王座の攻めを受け止めたあと、素早く反撃に出て寄せきりました。

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2時、この局面で西山女流王座が29分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲里見香34分、△西山女流王座が1時間7分。西山女流王座の昼食注文は「うな重・竹、肝吸い」、里見女流四冠は「うな重・梅、ご飯少なめ、肝吸い」。どちらも、ふじもとからの注文です。
対局は13時に開始されます。

Dsc_0227(西山女流王座の注文した「うな重・竹、肝吸い」)Dsc_0231(里見香女流四冠の注文した「うな重・梅、ご飯少なめ、肝吸い」。写真はご飯普通盛り)Dsc_0230(竹の写真。竹は梅と比べて漬物のバリエーションも違う)

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11時45分、昼食休憩が近づいてきました。里見香女流四冠が▲2六銀と出た局面です。△2五歩には▲3五銀△同飛▲3六歩△3四飛▲3五銀と打てば飛車が捕まります。後手が防ぎにくいようにも見えますが、どうでしょうか。阿久津八段は「ここ数手の後手の指し手がおとなしすぎたかもしれません」と見解を示しています。

Dsc_0204_2(朝の西山女流王座)