2020年10月28日 (水)
感想戦
終局直後
◆西山女流王座の談話
――本局を振り返って、いかがですか。
西山 想定していた展開の一つではありましたが、思っていた以上にじりじりした戦いになって。仕掛けたところは、運よく配置がよくて、手になったかなと思いました。ただ、先手玉が右玉なので、それでも難しいのかなと。最後はどうなってもおかしくない展開だったと思います。
――仕掛けたところはまずまずという判断でしたか。
西山 うーん、仕掛けのない将棋になるよりはと思って、いきました。
◆里見香女流四冠の談話
――本局を振り返って、いかがですか。
里見 玉が左にいってから右にいったので……。最初は仕掛けていくつもりだったんですけど、自重してしまいました。だいぶ手損してしまう展開になって、仕掛けられてからは苦しかったと思います。
――仕掛けるつもりだったというのは、具体的にどこででしょうか。
里見 ▲7八玉(43手目)と上がったあとです。▲4五歩の筋で。そう思っていたんですが、こちらの玉形が薄すぎて、まったく自信がなかったので。▲8六歩(39手目)~▲8七金がよくなかったかもしれません。
西山女流王座が先勝

124手で西山女流王座が勝ちました。終局時刻は17時22分。消費時間は、▲里見女流四冠2時間59分、△西山女流王座2時間22分。第2局は11月10日(火)東京都港区「明治記念館」で行われます。












先手玉が詰み筋に入りました。まもなく西山女流王座の勝ちで終局しそうです。


図は16時45分頃の局面。後手の西山女流王座が、持ち駒の銀を5七に放り込んでからんでいったところです。▲3八金のかわしには、△4六歩の追撃があります。後手の攻めが分かりやすくなってきました。一方、後手玉のほうはまだある程度の余裕があります。西山女流王座が順調にリードを保っているようです。
図は16時過ぎの局面です。依然として後手の西山女流王座が攻め続けていますが、先手の里見香女流四冠も相手玉頭に攻めの拠点を作り、反撃の機会をうかがっています。先手玉は懐が深い格好で2九の飛車も受けによく利いているので、後手が指しやすそうとはいっても、そう簡単には押し切れないかもしれません。


図は15時30分頃の局面。早いペースで指し手が進んでいます。後手の西山女流王座は、駒得しながら馬を作ることに成功しました。形勢はやはり西山女流王座がリードしていると見てよさそうです。






