16時、とうとう甲斐女流五段が優勢になりました。図では平凡に▲６一同竜でよさそうです。以下△８七銀▲同玉△４三角の返し技があるとはいえ、▲７六香△６一角のとき、後手玉に寄せがありそうです。

中村桃女流初段の猛攻がいったん落ち着いたところで、甲斐女流五段が端から反撃に出ました。△９五同歩には▲９四桂打が厳しい王手になり、流れが変わりそうです。

その後はさばき合いに進み、互いに敵陣に飛車を打ち込んでいよいよ終盤戦です。中村桃女流初段は３二にいた角を△８七角成と切り飛ばしました。▲同金、▲同玉のいずれでも△７五桂から後手の攻めが続きます。後手の高美濃もまだしっかりしており、攻めに専念できる状況。形勢は後手がよくなっているようです。

14時過ぎ、中盤の難所を迎えました。先手は後手に５筋を突破されています。甲斐女流五段は駒得で手番を握っていますが、４八飛と３三馬が当たりになっていて忙しい状況。ここをどう切り抜けるでしょうか。

図は13時10分頃の局面。２筋の突き捨てを入れて△４六銀と進出したところです。後手は△３九角や△４五桂を狙っており、攻めに困ることはなさそうです。▲４八飛には△２五飛▲４六飛△２九飛成で後手十分でしょう。甲斐女流五段はどのように迎え撃つでしょうか。

（積極的に仕掛けた中村女流初段。功を奏するかどうか）

12時40分になり、対局が再開されました。

（再開前の香雲）

（午後の戦いが始まった）

（昼食休憩時の香雲）

（実際の盤面）

（記録用紙）

12時、図の局面で甲斐女流五段が10分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲甲斐女流五段57分、△中村桃女流初段１時間１分。昼食の注文はともにありませんでした。対局は12時40分より再開されます。

図は10時40分頃の局面。甲斐女流五段は居飛車、中村桃女流初段が角交換型の振り飛車を採用。両者の過去の対戦でも見られた戦型です。△３三桂は好機での△２五歩▲同歩△同飛を狙っており、居飛車としては油断のならない一着。甲斐女流五段はどのように備えるでしょうか。

（開始前。中村桃女流初段はうつむいたまま集中力を高めている様子だ）

甲斐女流五段の振り歩先で行われた振り駒の結果は「歩」が４枚。甲斐女流五段の先手番で対局が開始されました。

（甲斐女流五段）

（中村桃女流初段）

（開始前。記録係は竹部さゆり女流四段が務める）