攻めきるか受けきるか 図は16時15分頃の局面。控室では福崎九段と近藤正六段が検討しています。「▲3一角成が歩切れも解消して好手になりそうですが、△7二金と上がられると決め手がはっきり見えませんね。これはまだ大変かもしれません」(福崎九段)「先手が攻めきるか、後手が受けきるかの勝負ですね」(近藤正六段)
先手が踏み込む 図は15時半頃の局面。ここまでの消費時間は▲里見2時間2分、△西山1時間47分。▲4三銀成は△2三角の両取りが見えるため怖い手ですが、▲2一竜△4五角に▲4四成銀で角が助からないため先手有利と見られています。この手が通るとなると先手の寄せが加速していきそうです。 川原町広場からは金華山が望める。
里見女流王座が鋭く切り込む 図はおやつが運ばれた14時半頃の局面。直前まで控室では先手の攻めが少し重い感じで後手持ちと言われていました。しかし、里見女流王座が放った図の▲3二銀が検討陣の予想を超える鋭い一着で、以下△3三飛▲5四銀△8六角▲6三銀成△同銀▲4一飛成と先手で飛車の成り込みに成功しています。「先手は駒損せずに飛車が成れたので、これは楽しみが出てきましたね」(福崎九段) 里見女流王座が検討陣の形勢判断を覆す鋭い手を放った。 十八楼の向かいにある和菓子店の「玉井屋」さん。十八楼の御用達で、昼食時に対局者にも和菓子が提供された。
長良川河畔 川原町(2) 川原町の目の前を流れる長良川。左手の建物が十八楼だ。 振り向くと金華山の上に岐阜城が浮かんでいる。 来年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀は岐阜の出身ということで、岐阜市では大河ドラマ館を準備している。 長良川は鵜飼で有名。川原町が観覧船の発着所になっている。 鵜飼の像。
午後のおやつ 14時半頃、対局者におやつが運ばれました。注文は里見女流王座が「カフェラテ(HOT)」、西山女王・女流王将が「プリン」と「アイスコーヒー」です。 カフェラテ。 プリンとアイスコーヒー。 撮影用のプリンは、山口仁女流2級に食レポを依頼。「とてもなめらかで美味しいです。実はプリンが大好物です」(山口仁女流2級)
勝負どころ 図は14時の局面。ここで西山女王・女流王将が時間を使っています。控室では福崎九段と宮本五段が検討しています。「振り飛車(後手)のほうが指しやすい局面に見えます。ただ、先手からは▲4六銀~▲4五銀の突進が見えますから、これをうまく防げないと大変ですね。△3三桂と跳ねるか、最悪△4五歩と打っておけば、というのはあるけど。どう防ぎますか?」(福崎九段)「△5三角から△4一飛もありますか」(宮本五段)「そうか、それがスマートかな」(福崎九段) 14時頃の控室。 こちらは山口仁女流2級からの差し入れ「かりんとう饅頭」。甘さ控えめの餡で食べやすい。各地にみられるが、岐阜も名産地の一つだ。
対局再開 西山女王・女流王将は12時35分過ぎには盤の前に戻っていた。 里見女流王座は再開の5分ほど前に戻ってきた。 着座して身支度を整えると、すぐに棋士の顔になった。 再開が告げられると里見女流王座はすぐに▲7九金寄とした。控室でも本命視されていた手。 西山女王・女流王将は△4二角と上がった。これは検討では出ていなかった手。