2019年6月 3日 (月)

本日の対戦結果は以下の通りです。

山田久美女流四段◯-●加藤結李愛女流2級

塚田恵梨花女流初段●-◯藤井奈々女流1級


本日の中継は以上で終了となります。ご観戦いただきまして、ありがとうございました。

次回の中継は6月6日(木)、谷口由紀女流二段-脇田菜々子女流1級戦です。お楽しみに。

Photo_29(山田女流四段は終盤の力強い踏み込みで勝利を収めた)

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(加藤女流2級は粘り強い指し回しを見せたが、及ばなかった)Photo_32(終局後は本局について口頭で簡単に振り返るのみで、感想戦は行われなかった)

【山田女流四段のインタビュー】

――本局を振り返ってください
 
山田 中盤、角銀交換になったあたりは指せていたはずですが、そこからがおかしかったですね。81手目で▲2四歩から攻めていったのがよくなかったのだと思います。馬の捕獲から粘り強く指されてわからなくなってしまいました。勝ちになったと思ったのは、本当に最後の詰みが見えたところです。
 
――これで本戦入りです。意気込みなどはいかがでしょうか
 
山田 最近は若い方と対戦する機会が多いですが、見ている方が面白いと思ってくれるような将棋が指せればと思います。
 
――ファンの皆さまにひと言お願いします
 
山田 今月16日に、女流棋士45周年記念パーティーが都内で行われ、ほとんどすべての女流棋士が参加します。次回の記念パーティーはさらに5年後になるので、この機会を逃すことのないよう(笑)、皆さまでぜひともお越しください。

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(本戦進出を決めた藤井女流1級)

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(敗れた塚田女流初段)

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(感想戦の様子)

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【藤井女流1級の談話】


――本局を振り返っていかがでしたか。

「自分で開発って言ったらおこがましいんですけど、作ってみた作戦ですね。それが表に出せたのはうれしかったんですけど、序盤の▲2七銀(39手目)のところで損をしてしまいました。そこから苦しい時間が続いていたんですけど、結論はよくわからないです。我慢できたという点でよかったですが、反省点としては、いろいろ多いなという将棋でした」

――勝ちを意識された局面はどのあたりでしょうか。

「▲3三角成(85手目)とした局面です。この手が詰めろになって、こちらの玉は詰まない形だったので」

――前期に続いて本戦に進出しました。今期の意気込みをお聞かせください。

「前期は挑戦者となられた清水先生(市代女流六段)に完膚なきまでにボコボコにやられてしまったんですけど、こうやって中継を通してファンの皆様に将棋を見ていただけるのはうれしい機会ですし、楽しいと思っていただける将棋を指そうと意識しています。いつも応援の言葉をかけてくださる皆様に1局でも、いい内容と結果を残して恩返しできるよう、頑張りたいと思います」

※この写真の撮影には、PENTAX K-3 II を使用しております。

山田久美女流四段-加藤結李愛女流2級の一戦は、図の局面までで山田女流四段の勝ちとなりました。終局時刻は16時31分。消費時間は、▲山田女流四段2時間32分、△加藤女流2級3時間0分。勝った山田女流四段は本戦進出を決めました。

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▲山田女流四段-△加藤結女流2級戦は、山田女流四段が突き放したようです。

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図は▲6三角と打ったところ。「(1)△8四飛には▲8五歩△9四飛▲9六歩△6五銀▲5五角、(2)△8二飛には▲7四角成ですか。うーん、後手が厳しい展開ですね」と、中継室に来訪した深浦康市九段。形勢は先手が優勢と見て間違いないでしょう。

Photo_28 (中継室に来訪した深浦九段。携帯で進行を確認しつつ、現在の形勢を解説する)

将棋会館に隣接する鳩森八幡神社では、本日17時から「千駄ヶ谷の冨士塚・開運山開き大祭」が開催されることもあり、にぎやかでした。

今週7日(金)には「出前で将棋めし」、普段、鍵がかかっている将棋堂が開かれる「『将棋堂』特別参拝」のイベントが行われる予定です。

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Pen33732(今月が見頃のハナショウブ)

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※この写真の撮影には、PENTAX K-3 II を使用しております。

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図は直前の▲7四歩に△7三歩と合わせたところ。以下▲7五銀右△7四歩▲6四銀△6三歩▲5五銀△7五歩▲8七銀(第2図)と進行しました。Joryu_ouza20190603020163 押さえ込まれ気味だった加藤女流2級ですが、第2図まで進むと景色が一変、先手の厚みを消し去りました。形勢も互角近くに戻っているようです。

Joryu_ouza20190603020155 図は14時20分の局面。山田女流四段は左辺の厚みを生かして押さえ込みを目指しています。▲7五銀右~▲6七飛のような順がわかりやすい狙いです。対する後手は暴れることができなければ苦しくなりそうですが、その順が具体的には見えにくい状況。形勢は先手がリードしたと見られています。

Photo_25(再開後の山田女流四段。このまま後手の攻め駒を封じ込められるか)

Photo_27(加藤女流2級は押さえ込みの網を破りたい)