リコージャパン株式会社関西事業本部 松原正彦・MA事業部長
「本日はご多忙の中第5期リコー杯女流王座戦第3局の前夜祭にお越しいただきありがとうございます。大阪での女流王座戦開催は4回目になります。
今回の女流王座戦は若いふたりによって戦われています。第1局は先月仙台で行われて加藤女流王座が先勝、第2局は今月初めに静岡で行われ伊藤女流二段が制し、1勝1敗で明日の大阪での対局が行われます。
おふたりの出会いがリコー将棋部の合宿だとお聞きしております。そんなおふたりがリコー杯女流王座戦で対局するということは関係者としてうれしい限りです。明日がどんな戦いになるか楽しみにしています。おふたりとも全力を尽くしていただいて、がんばってください。
私どもリコーグループはこの女流王座戦の開催を通じて、地域社会発展の貢献と女流将棋界の発展を通じた女性の社会進出を応援していきたいと思っております」
公益社団法人日本将棋連盟 谷川浩司会長(九段)
「第5期リコー杯女流王座戦第3局前夜祭に多くの方に来ていただきありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。女流王座戦を主催していただいておりますリコー様、特別協力をいただいております日本経済新聞社様、明日の対局場を提供していただいた西天満にあります芝苑様初め、ご尽力いただいた皆様方に御礼申し上げます。
このおふたりの対局で私が最も印象に残っているのは、4年前、第1期の準決勝であります。勝者が五番勝負に出場するという大きな一番でした。結果は加藤さんが勝ちまして、清水さん(市代女流六段)との五番勝負を制して初代女流王座に就いたわけです。準決勝のその日は、私も将棋会館で対局の様子を見ていました。加藤さんのほうは記者会見に出て、敗れた伊藤さんはひとり将棋会館を去るという、文字通り勝負の明暗が分かれました。しかし10代だった若いうちから厳しい勝負を経験して、この経験がふたりの成長につながればと思っていました。
加藤さんはこれまでの女流王座戦すべてに主役として五番勝負に出ているわけですし、伊藤さんは時間がかかったものの、今期初めて挑戦者としてこの場に立ったわけです。伊藤さんはタイトル戦は初めてですが実力者として知られております。女流棋界では先日四冠を達成した里見(香奈)さんが今年ほとんど負けていないですが、唯一黒星をつけたのが伊藤さんです。加藤さんと伊藤さんはリコー将棋部の合宿で初めて出会ってから10年来、一緒に切磋琢磨してきた仲ですし、控室でも仲良く話していましたが、いちばん負けたくない相手でもあるかと思っております。ぜひ明日の第3局をご注目いただければと思っています。今日は対局者、役員、立会人だけでなく大勢の棋士、女流棋士が来ております。ぜひ気軽に声をかけていただいて、和やかな時間を過ごしていただければと思います」
淡路仁茂九段による乾杯の発声
「女流棋戦はいろいろありますが、この女流王座戦は全ての女性が参加できるという特徴がありまして、真の女性日本一を決める棋戦だと思っています。素晴らしい対局をしていただけるおふたりが戦うわけで、ぜひ皆様にも注目していただいて、第5期女流王座戦第3局を期待したいと思います」
(大勢の方が杯を掲げた)