両対局者による挨拶です。
(加藤女流王座)
牧之原出身の加藤桃子です。本日は多くの方にお越しくださりありがとうございます。毎年、浮月楼さんで開催していただき、対局できることがうれしく思います。
今年は成人式などで静岡に戻ることが多かったのですが、そのたびに感じるのは食べ物がおいしいこと。自然がいっぱいで空気が澄んでいます。静岡にいると穏やかな時間が流れるので、ここが原点だったのだと感じます。ここまで育ててくださった地元の皆さんには大変感謝しています。ありがとうございます。
明日の対局ですが、挑戦者の伊藤さんとは10年以上のつき合いで大変お世話になっています。普段は気さくで話をすると、とても面白いです。
本当に癒されるのですが、将棋は大変厳しくて、一手一手に意志が伝わる将棋です。押さえ込みがすごいというか、知らないうちに相手へプレッシャーをかけるのがうまいです。私も一手一手に心を込めて指したいと思います。
静岡対局は加藤さんの地元ということで、アウェーな感じは覚悟していまして、そんな感じもしなくもないのですが、静岡は私の祖父が子ども時代に過ごした場所でして、生前に気候が温暖で食べ物がおいしい場所だよと聞いていました。
私は女流棋士になってまだ1年くらいで地方へ行く機会がなかったのですけど、今回の番勝負で回る場所は初めてのところが多いですが、静岡は落ち着いた気持ちになれ、懐かしい感覚を覚えました。
今回は浮月楼さんで対局させていただくのは、トップ棋士が数々の対局されたところで指せるのは光栄でうれしく思っています。
対戦相手の加藤さんとは、幼いころから切磋琢磨してきた仲です。1歳年下ですが、奨励会時代は私が頼りにすることも多かったです。ありがたい存在でした。
今回は対戦相手ということで、頼るわけにはいかないので自分の力を信じて指していきたいと思います。
(書き起こし=銀杏)