(勝った西山二段。感想戦終了後、インタビューに応じた)
--今日は中井女流六段と初めての対戦でした。棋風やイメージを教えてください。
西山 中井先生は昔から尊敬していた先生で、本格的で安定感がある棋風だと思います。今日の将棋は楽しみでしたが、勝てるとは思っていませんでした。やっぱり強かったです。
--本局の感想を教えてください。まずは序盤はどうでしたか。
西山 今日は△6四歩~△6三銀の急戦型だと思っていたので、△4四歩(14手目)には意表を突かれました。いつもは美濃で対抗することが多いのですが、それでは中井先生に潰されてしまう気がしたので、穴熊はとっさの判断です。△2五歩(40手目)で△4四歩だとこちらの模様が悪かったと思います。予定は▲4五歩△同歩▲同銀△4四歩▲3六銀でしたが、△8四飛~△7四飛(△6四飛)があるのでこちらはバランスの取り方が難しいです。本譜の△2五歩は△2四角~△3三桂の理想形を狙っていて、こちらは▲5四歩(41手目)で動かざるえなくなりました。とはいえ、前述の△4四歩よりはこちらにとって良い展開だと思います。
--本譜は西山二段が攻める展開でした。
西山 いろいろ気になる手がありました。例えば、▲4四歩(47手目)に△3一銀▲5四銀△4二歩は大変だと思います。
--どのあたりで有利になったと思います。
西山 △8二飛(68手目)▲5二歩のあたりは速度勝ちしていそうと思いました。実は▲5二角(49手目)で▲7七桂を指したかったんですけど、それは△6九角で自信ありません。予定変更でしたが、結果的に良かったと思います。
--ベスト4入りですが、五番勝負は意識していますか。次戦の抱負をお願いします。
西山 いや、目の前のことだけを考えて指しているので。今日も中井先生に教わることだけ考えてきました。
--最後に、前期の西山さんとは持ち時間の使い方が少し変わったような印象を受けます。なにか変えるように意識されているのでしょうか。
西山 いえ、どうでしょう……。いつも普段通り指すようにしています。意識しているのは終盤に時間を残すことだけですね。秒読みが怖いですから。