第５期リコー杯女流王座戦は二次予選が進行中。勝者は本戦進出となる大きな一戦です。６月18日（木）は井道千尋女流初段と北村桂香女流１級の対局をお送りします。対局場所は東京・将棋会館「飛燕」。持ち時間は各３時間（チェスクロック使用、使い切ると１分将棋）。両者は本局が初手合いです。
本局の中継は睡蓮が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

勝った中井女流六段。途中は自信のなかった局面もあったという。

大女流棋士を相手に思う存分戦ったステチェンスカアマ。

感想戦終了後に簡単なインタビューが行われました。

【中井広恵女流六段】
――注目のステチェンスカさんとの戦いはいかがでしたか。
「強かった、というよりも、強いことは他の方との対局を見ていてわかっていました。３時間の持ち時間は慣れていないと思いますが、今日はしっかり時間を使って力を出していたと思います」

【カロリーナ・ステチェンスカ アマ】
――タイトルをいくつも取っている凄い方との対戦はいかがでしたか。
「やっぱり強かったですが、とても勉強になりました」
――３時間の持ち時間はいかがでしたか。
「３時間だと長く考えられる。なかなかよかったです」

本局の中継は以上で終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

92手まで中井女流六段が勝ちました。終局時刻は16時37分。消費時間は、▲ステチェンスカアマ２時間39分、△中井３時間０分。

終局直後の様子。

図は14時頃の局面。カロリーナアマは▲８七歩と受けずに▲７七銀と上がり、飛車引きには▲６六歩の銀取りを狙いました。対して中井女流六段は飛車を引かずに△５六銀右（図）とぶつける最強の手で対抗。互いの強手がぶつかって、盤上はにわかに風雲急を告げています。

対局再開直前の様子。

再開が告げられると中井女流六段はすぐに△８五歩を着手。

それを見て、鋭い表情で考えるステチェンスカアマ。

午後の戦いが始まった。

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

12時10分、図の局面で中井女流六段が33分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲ステチェンスカアマ55分、△中井１時間14分。対局は13時に再開します。

休憩中の対局室。中井女流六段は休憩に入ってから５分程ですぐに対局室に戻り考えていた。

休憩中の盤面。

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

図は10時50分頃の局面。先手の５筋位取り中飛車に後手が急戦模様で対抗しています。

初手▲７六歩を着手するステチェンスカアマ。堂々たる所作だった。

中井女流六段はじっと黙想して動かない。

３分以上して、カメラマンが退室しかけたところで△８四歩を着手した。

中井女流六段が駒を取り出す。

中井広恵女流六段

カロリーナ・ステチェンスカ アマ

振り駒は「と金」が３枚でステチェンスカアマの先手に決まった。

第５期リコー杯女流王座戦は二次予選が行われます。一次予選を勝ち上がった17名と、二次予選から登場する３名を合わせた20名が10のブロックに分かれて、一発勝負で本戦出場を争います。

開幕を飾るカードは、中井広恵女流六段対カロリーナ・ステチェンスカアマ。圧倒的な実績を誇る女流棋界のトッププレーヤーである中井女流六段に対して、外国人アマチュアとして初めて二次予選に進出したステチェンスカアマがどんな戦いを見せるのか。注目の一番をお楽しみください。

将棋会館隣の鳩森神社はアジサイが満開。今日の千駄ヶ谷は最高気温29度の予報が出ている。気温も盤上もアツくなりそうだ。

本局の中継は八雲が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。