西山初段インタビュー
感想戦終了後、西山初段にインタビューが行われました。
―― 本局を振り返っていかがでしたか
久津さんとは過去に2回対戦しているのですが、どれも本局と同じような将棋でした。その前例があったので、本局は手拍子で指してしまった手もいくつかあります。そこは反省点です。
―― 先手の調子がいいように見えましたが
実際はそうでもなかったと思います。こちらが空回りしていたといいますか。51手目▲4五歩のあたりも自信があったわけではありません。じっくりと玉を囲うべきでした。ただ、終盤は自信がありました。
―― 大学進学に伴い、春から東京に移籍しましたが慣れましたか
学業との両立は大変です。以前と比べて将棋に時間を割くのが少し難しくなりました。
―― 本戦に向けての抱負を聞かせてください
次も強敵(本田小百合女流三段)と当たります。本局をしっかりと反省して挑みたいと思います。
感想戦
終局直後
▲西山朋佳奨励会初段-△久津知子女流初段戦は14時31分、105手で西山奨励会初段が勝ちました。消費時間は▲西山1時間3分、△久津2時間37分(持ち時間は各3時間、チェスクロック使用)。第2期以来2度目の本戦出場です。西山奨励会初段は本戦1回戦で本田小百合女流三段と対戦します。
終盤戦
図は▲5四歩とたたいたところ。局面は最終盤に突入しました。手番を握って攻めている先手が優勢です。
タブレット端末で棋譜入力(2)
タブレット端末の棋譜入力について、遠山雄亮五段・プロデューサーにインタビューしました。
--タブレット端末での棋譜入力ですが、他の対局もこれで記録するようになるのでしょうか?
「将来的には全対局への導入をしたいと思っています。メリットとしては、棋譜をデータにすぐ置き換えることができることですね。データにすれば、中継の際に記者がモニターを見て棋譜を入力する手間が省けますし、いろいろなファンサービスの向上につなげることができると思います」
--開発はどなたが?
「開発は連盟の職員が行いました」
--関係者の方の反応はいかがですか?
「棋士や関係者の方々には好意的に受け止めてくださっている人が多いです。記録係も時間の計算が楽になるので、取りやすくなるみたいです。まだ改善の余地があると思いますが、いいものにできるよう取り組んでいきます」
さばき合いへ
久津女流初段は▲4八飛に△6三金と、じっと金を寄せました。▲4五歩には△5四金と4筋を手厚くする狙いです。西山初段は▲6四歩△同金▲6八飛と再度飛車を振り戻し、今度は6筋に狙いをつけました。
久津女流初段は△6五歩と受け、手厚い陣形に組んでいます。
△5二飛とさらに圧迫を目指したのに対し、▲6六歩△同歩▲同角△6五歩▲8四角△5三飛▲7七桂が気がつきにくい活用でした。
先手は6筋からの強引な突破や▲8五桂のさばきを目指せるようになりました。図から△4五歩▲8五歩△4六歩▲7五歩△5五歩▲7四歩△5六歩▲7三歩成と進みました。
さばき合いになりました。久津女流初段は4六歩の拠点をいかしてうまく手を作りたいところです。
対局再開
昼食休憩
12時10分、ここで昼食休憩に入りました。消費時間は▲西山34分、△久津1時間35分(持ち時間は各3時間、チェスクロック使用)。対局は13時に再開します。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。