室岡七段「流石、清水さんも百戦錬磨。この▲6八角が勝負の粘りでしたね。後手が攻めを急かされ、またおかしな流れになってきているのでは」
しかし、渡辺女流1級も踏みこんで勝負に出る。△8七桂と打ち込んで先手の穴熊を崩し、先手玉の守りを薄くしておくことで、先手の攻めに制限をかけたのだ。
吉田五段「自玉が薄いと、反動が大きいですからね。怖いところです。先手の穴熊を崩したことで、後手は形勢だけではなく、気持ちの面でも楽になったのではないでしょうか」
(対局が行われている東京・将棋会館「香雲」の入口。対局室のあるフロアは、静寂に包まれている)