――本局を振り返っていかがでしたか。
そうですね。先後逆の超速▲3七銀みたいなことをやられたので、先手の利を生かして動きたいなと思っていましたが……本譜は自重しすぎだったかもしれません。そこは後で検討したいところです。
――あ、序盤から時間を使われていたのはそういうことだったんですね。
実は、21手目▲3八玉で▲4五歩とやろうかなと思っていたんです。でも、△3三銀▲4四歩△同銀▲4五歩△3三銀で自信がありませんでした。
――実戦は玉を囲い合い、30手目△7二飛から後手が動く展開になりました。
そこで△4二金上でよくわからなかったです。構想が難しくて……せっかくの先手番を生かすためにも、さばく将棋にしたほうが良かったかなと思っていました。
――43手目▲7二歩で本格的な戦いに突入しました。
あそこは少しいいかなと思っていました。中盤でちゃんと攻めていたのかは調べないといけませんが、さばく展開になったのでよかったです。
――どのあたりで勝ちを意識されましたか?
71手目の▲3六馬ですね。自陣が安全になりましたし、次に▲3三金の寄せが見えたので。
――本局で一番印象に残っている、自分らしい手を教えてください。
そうですねぇ……うーん。▲3八玉と、▲4五歩を自重したことですかね。
――え、先生は攻め将棋ですよね?
ええ、そうなんですけど(笑)。いまは「自重」がテーマです。攻め将棋なのでついつい攻めてしまいますが、切れて失敗することも多い。それを減らそうと今頑張っているところです。今回はちゃんと自重できたので(笑)、少し成長できたのかなと思います。
――本戦に向けて、抱負をお願いします。
昨年は1回戦負けで、内容も良くなかったです。まずはいい将棋を指せるようにしたいです。
――ファンの方々に向けて、一言お願いします。
ご観戦いただきまして、ありがとうございます。
先日、青森県の八戸将棋まつりに行った際に「携帯中継見ているから頑張ってね」とたくさんの方に声をかけていただきました。応援していただいている方々のためにも頑張ります。
――ありがとうございました
(インタビュー起こし・紋蛇、撮影・吟)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。