2012年9月 3日 (月)

対局立会人、泉七段の話

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図は11時頃の局面。この局面で里見女流四冠が25分ほど考慮中です。
△4四歩までの消費時間は▲里見16分、△本田9分。

里見女流四冠の考慮中に、控室には本日の対局立会人を務める泉正樹七段が来訪しました。
「野獣流」と呼ばれる泉七段ですが、女流棋士を優しく気遣った話を聞かせてくれました。

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両対局者について語る泉七段。

――泉七段の談話――

里見女流四冠について
「里見さんは奨励会初段で奮闘中ですね。数年前ではとても考えられなかったことです。彼女の姿を見ていると、厳しいことが難なくこなせているようで、楽しくて仕方がないようにも見えます。対局姿はもちろんのこと、廊下を歩く姿も、こちらが見ているだけで緊迫感が伝ってきて、四段も夢ではなく思えました。女流棋士との両立など、体調管理を心配されている方が非常に多いと思います。しかしそういったものを乗り越えてこそ、夢は達成できるものだと、私は思います」

本田小百合女流二段について
「立会人泉と本田は25年くらい前、研修会幹事と生徒の研修生という仲でした。水戸市からお母さんに連れられてとてもかわいかった。その頃は少女がほとんどいませんでした。その後中倉姉妹(彰子女流初段・宏美女流二段)、大庭姉妹(美夏女流1級・美樹女流初段)も入って来ましたが、本田さんはその先駆者とも言えるわけで、これだけ粒ぞろいでかわいい女流棋界に一役買った存在なのです。今でも泉は、本田さんのおつむをなでなでしてあげたいが、怖い先生もいるので、それができないのが残念です。本田さんの将棋は、とても根性があり、少々の苦戦にもめげないので、一年ずつ強くなっている印象があります。コミュニティバスのようではありますが、そろそろ爆発間近、初のタイトル挑戦に期待する野獣でもあります。里見さんファンごめんなさい」

現局面について
「本局は本田さんの注文により、一手損角換わりになりました。里見さんの作戦は一番自然な早繰り銀です。この戦いは、序盤の一手一手がとても重要で、筋違い角を用心しないといきなりピンチになる恐れもお互いに秘めています。それにしても、振り飛車党だった里見さんが、この大一番で普通に居飛車を用いるわけですから、これは日々の鍛練のたまものですね。勉強していないおじさん棋士には、頭が下がる思いです」

(八雲)