2012年8月27日 (月)

58△6四歩▲同歩△同角で図の局面。この歩交換は先手の動きを誘ったものかもしれません。

先手は▲6五歩と打つ必要がないため、(1)▲6五銀左、(2)▲8五歩△同歩▲8四歩、(3)▲3六歩△同歩▲3五歩といった手順で局面を動かすことができます。
しかし、それは後手の誘いに乗ることにもなりかねません。先手の本田女流二段は手を止めて考えています。長考の気配です。


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(歩を手持ちにして手番も得た本田女流二段。すぐに動くか、それとも自重か)
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(大胆な手渡しを決行した中村女流二段。開戦は望むところかもしれない)

(牛蒡)

46先手が銀冠を目指して▲8七銀とした瞬間、後手から△5四歩(図)と動きました。

狙いは△5四歩▲同歩△同銀で6二角のラインを通すこと。あるいは歩を手にした後に、△3六歩▲同歩△3七歩もあるかもしれません。


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(中村女流二段は攻め将棋。歩を手持ちにして仕掛けを狙う)

(牛蒡)

3712時10分、図の局面で中村女流二段が10分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲本田55分、△中村59分(持ち時間は各3時間)。

対局再開は13時です。


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(12時15分ごろ、対局室の様子)

(牛蒡)

31先手は囲いを明らかにしていません。▲7八銀なら左美濃、▲7八金なら穴熊含みですが、本田女流二段はどのような囲いを選択するのでしょうか。

宮田利七段は本田女流二段の棋風も考慮して「穴熊が本命」とみています。欲ばって指すなら▲7五歩も考えられますが、玉頭位取りを得意とする宮田利七段でも「▲7五歩とは突きにくい」と言います。位を張り過ぎると維持するのに苦労する展開になりかねません。


 

(牛蒡)

Miyatat宮田利男(みやた・としお)七段は秋田県大曲市出身、1952年10月29日生まれ。(故)高柳敏夫名誉九段門下。棋士番号は110。1968年、4級で奨励会入会。1972年10月、四段。1994年7月、七段。
通算成績は530勝603敗(勝率0.468)。本年度成績は2勝4敗(勝率0.333)。



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(中継室で本局を解説する宮田利七段)

(牛蒡)

23本局の戦型は対抗形。本田女流二段の居飛車、中村女流二段の振り飛車です。

図の▲6五歩は積極的な一手。▲7七角(17手目)と上がった以上、玉を囲うまでは争点を作らないというのが一般的な考えですが、本田女流二段は玉の堅さだけでなく、6筋の位も主張しようと考えているようです。


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(本田女流二段。▲6五歩は用意の作戦か)

(牛蒡)