14時50分頃、手を止めていた加藤奨励会1級が盤上に手を伸ばした。▲6四銀。後手玉が角のラインに入っており、取れないことを見越して次に▲3五角を狙っている。元気があり余るさまを示すような、加藤奨励会1級らしい指し手だ。「派手な手ですね。しかし決め手になるかと言われると……その割には派手ですね」と鈴木八段。金井五段は「△4四歩、あるいは△6二金と受けられたときに難しいかなと思っていたのですが」と不安を口にする。15時、安恵門下で加藤奨励会1級の兄弟子にあたる永瀬拓矢四段が控室に現れた。
(加藤奨励会1級と同じ安恵門下、永瀬四段=右)
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