加藤1級勝利。五番勝負へ ▲加藤1級-△伊藤1級戦は、図の局面で伊藤1級が投了を告げた。後手玉は▲3二とからの詰めろで受けは利かない。終局は17時1分。消費時間は▲加藤2時間20分△伊藤2時間57分だった。 (文)
加藤1級、優勢に ▲加藤1級-△伊藤1級戦は、持ち時間が残り少なくなった伊藤1級が△9五桂▲9六玉と王手をかけた。しかし図の先手玉は「桂頭の玉寄せにくし」の形で、とても安全な形になっている。これははっきり先手が優勢になったようだ。 (文)
「混戦になるでしょう」 ▲清水女流六段-△中村女流二段戦は、互いに持ち時間が切迫してきたこともあり、早いペースで指し手が進み始めた。図の局面で後手は桂得を果たした。5四の銀が当たりになっているが、すぐ▲5四歩は△3七角成で飛車が取れるので、急いで対応する必要はない。控室では△8五歩からの玉頭攻めを検討している。「これは混戦になりますね」と鈴木八段。 (文)
もつれる ▲加藤1級-△伊藤1級戦は、加藤1級が決め手を逃してややもつれたか、との見解だ。しかし、先手がなかなか寄らない形で、依然として先手持ちのようだ。「永瀬調ですね」と鈴木八段。永瀬拓矢四段は千日手を辞さない長期戦を好む棋風で、加藤1級の兄弟子にあたる。 (控室で2面の検討を行う鈴木八段。16時45分頃の様子) (藤田女流初段) (文)
戦いが起こるのはいつ? ▲清水女流六段-△中村女流二段戦は、小さな折衝があったものの全面的な戦いには波及していない。持ち時間の残りは清水女流六段が30分以下、中村女流二段も1時間を切っている。終盤で正確に指すためにも、ある程度時間は残しておきたいところ。だが成算を持てないまま戦いに突入して形勢を損ねるのも怖い。慎重な指し手、神経をすり減らす展開が続いている。「ずいぶん我慢比べが続いてるねえ」と青野九段。 (本田小百合女流二段が検討に加わった) (文)
▲加藤1級-△伊藤1級戦、終盤へ ▲加藤1級-△伊藤1級戦は、互いの玉を目指しての終盤戦に入っている。控室の見解は先手持ち。やはりと金の力は大きいようだ。ここから▲7四同馬△同飛▲3二と△同金▲5二角が検討されている。 (と金の大軍で迫る加藤1級。写真は対局開始前のもの) (文)
嵐のような攻め合い ▲加藤1級-△伊藤1級戦は、互いに敵陣の急所にと金で迫る態勢を作っている。先手は▲5三と△3三寄金▲4三歩が早く、後手からは△6五歩▲同歩△6六歩が早い。控室の継ぎ盤では、どちらが先に寄るか、終盤へ踏み込んで検討が行われている。すでにこの局面自体が終盤になっているかもしれない。実戦は▲3四歩△同銀引▲5四歩。加藤1級は▲3五桂の筋を作りつつ、2枚目のと金を5筋から作りにいった。「凝った手順ですね」と鈴木八段。ここからは矢倉特有の激しい攻め合いに突入しそうだ。 (伊藤1級。加藤1級の猛攻を金銀四枚の堅陣で迎え撃つ) (文)
達人の間合い ▲清水女流六段-△中村女流二段戦は、もう1局と比べ、スローペースの展開になっている。向かい合った二人の剣豪がじりじりと間合いを計っているかのようだ。図の▲2九飛も玄妙な手で、先に2筋を突き捨ててからじっとタイミングを計っている。本格的な戦いに入るまでには、もうしばらくかかるだろうか。どちらが仕掛けるにせよ、成算が持てるまで時間を使うことになりそうだ。 (控室には鈴木大介八段(左)が来訪) (藤森哲也四段も登場。関係者から祝福の言葉をかけられていた) (文)