▲2六歩△3四歩▲7六歩△3二金▲2五歩のオープニングから、加藤2級が△8八角成とし一手損角換わりが確定した。後手番でさらに手損する大胆な戦法だが、プロ棋界では今やすっかり市民権を得ている。近年の採用率で見れば、本家「ゼロ手損」角換わりより高いかもしれない。先手は右銀をどう使うかが序盤のポイントで、千葉女流四段は棒銀を選択した。
進んで上図は10時25分頃の局面。先手は棒銀を引いて繰り替え、飛車先の歩を交換する。ここまではまだ定跡。本棋戦の中継をチェックしていれば、「どこかで見たような?」と思う方もいるかもしれない。実は二次予選▲竹部さゆり女流三段-△伊奈川愛菓女流1級戦(下図)と同一局面が出現している。その将棋は序盤で後手がリードを築いたが、本局はどうなるのだろうか。
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