▲斎田女流五段-△古河女流二段戦、先手変調?
図は14時頃の局面。ここでは先手指しやすいとの評判。次のように進んだ。
△7一飛 ▲同飛成 △同 角 ▲1四歩 △同 歩 ▲1三歩
△同 香 ▲2五桂 △7八飛(下図)
斎田女流五段は△7一飛のぶつけに▲同飛成と応じた。そして▲1四歩と端を攻める。穴熊に対する端攻めは急所の筋だが、タイミングを誤ると大きな損失につながってしまう。本譜の端攻めもやや変調で、△7八飛と打たれた局面は後手の攻めが厳しいと見られている。先手は懸念の6五金が完全に遊び駒となってしまった。古河女流二段にとっては大きなチャンス。ここでうまく手がつながれば、そのまま押し切ることもできそうだ。90手目までの消費時間は▲斎田1時間59分、△古河1時間52分。
(文)
写真あれこれ(飛燕・銀沙)
▲室谷女流初段-△上田女王戦、後手桂得
山口恵梨子女流初段インタビュー
感想戦が手短に行われたため、山口女流初段に簡単なインタビューを行い、一局を振り返っていただいた。
―― 序盤を振り返っていかがでしたか。
山口 △4四飛(32手目)で竜を作れるので、ちょっといいかなと思いました。
―― 勝ちを意識した局面は。
山口 △5三銀(70手目)で負けない形だと感じました。
―― この対局に勝って、本戦トーナメント入りです。
山口 3時間の将棋ではここまで1つしか勝てていなかったので(注・持ち時間3時間の将棋は、女流ではタイトル戦以外では最長)、克服できるよう頑張りたいと思っています。
※5三の馬を取ったところ。以下▲同歩成△7八と▲同金△4四角まで、後手の勝ちとなった。
(聞き手・吟 写真・文)
本日の棋譜(島井女流初段-山口女流初段)
▲島井咲緒里女流初段
△山口恵梨子女流初段
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲4八銀 △5五歩
▲6八玉 △5二飛 ▲7八玉 △6二玉 ▲5八金右 △7二玉
▲2五歩 △3三角 ▲6六歩 △4二銀 ▲7七角 △8二玉
▲6七金 △9二香 ▲8八玉 △9一玉 ▲9八香 △8二銀
▲9九玉 △7一金 ▲7八金 △7四歩 ▲5九銀 △5四飛
▲6八銀右 △4四飛 ▲2四歩 △同 歩 ▲6五歩 △4七飛成
▲5六歩 △同 歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲6四歩 △同 歩
▲6三角 △5二角 ▲5四角成 △4五桂 ▲6四馬 △5七歩成
▲7七金寄 △6七歩 ▲6九歩 △6八歩成 ▲同 歩 △6七歩
▲5三歩 △同 銀 ▲同 馬 △6八歩成 ▲同 銀 △同 と
▲同 飛 △6七歩 ▲1八飛 △6二銀 ▲5四歩 △5七桂成
▲6四歩 △6八歩成 ▲6三銀 △5三銀 ▲同歩成 △7八と
▲同 金 △4四角 (投了図)まで74手で山口女流初段の勝ち。
終局は13時36分、消費時間は▲島井1時間58分、△山口51分。
(吟)
▲斎田女流五段-△古河女流二段戦、形勢は先手よしか
△5五金 ▲同 銀 △同 飛 ▲4六角 △5四飛 ▲5五金
△5一飛 ▲5三歩 △同 飛 ▲6四金 △4五歩 ▲7九角
△5一飛 ▲5三歩 △7五角 ▲6五金 △5三角 ▲7四飛(下図)
対局再開から1時間、14時頃の局面。80手目までの消費時間は▲斎田1時間17分、△古河1時間21分。先手は飛車をさばくことに成功した。形勢はやや先手よしと見られている。ただし後手はなんといっても「最強の囲い」である穴熊。銀と大量の歩を駒台に載せ、虎視眈々と反撃の機会をうかがっている。先手は6五の金が遊び気味なのが気がかり。慎重に指し進めていきたいところだ。
(玄妙な手順で飛車をさばいた斎田女流五段。写真は昼食休憩再開時のもの)
(文)
感想戦(▲島井女流初段-△山口女流初段)
雨雲晴れる
山口勝利(▲島井女流初段-△山口女流初段)
▲島井女流初段-△山口女流初段戦は13時36分、74手で山口女流初段の勝ちとなりました。消費時間は▲島井1時間58分、△山口51分。(銀杏)