図は15時40分頃の局面。互いに玉を守る金銀を攻めている。このように、まずは守りの金銀を一枚一枚盤上から消していくのが正攻法。この作業が速い方が、最終的に攻め合いで優位に立つことになる。守り駒の数に注目してみると、後手は金金銀の3枚。先手は金銀の2枚……に見えるが、遠く9八の飛車が守りに利いている。よって守り駒の数はほぼ互角。現在手番を握り、先に玉に手が届くのは、後手のほう。このまま一息に攻めきれれば、後手のきれいな一手勝ちになる。上田女王はここで時間を使って考えている。このまま一直線の攻め合いに突入するのだろうか。
(文)