2017年3月20日 (月)

ミニインタビューに応じた両対局者は、間を置かずにファンの待つ大盤解説会場へ移動し、局後の感想を語りました。

Dsc_7169a_2(足早に進む渡辺棋王を千田六段がゆっくりと追いかける)

Dsc_7171a_2(木村八段が司会役になり、話を引き出す)

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木村 渡辺棋王、序盤からお話をうかがいたいと思います。どんな感じでしたでしょうか。

渡辺 うーん、まあ、よくある将棋なので。そうですね、昼食休憩が明けて戦いが始まってどうなるかという将棋でした。

木村 千田さんは後手番ながら意欲的な作戦だなというふうに感じましたけれども。

千田 バランス型でじっくりした長い展開にする予定でした。

木村 千田さんのほうから△4五歩(44手目)と仕掛けたといいますか、動いた感があるんですけれども、あの辺りは成算があったのですか。

千田 小競り合いというところでしょうか。そんなにドンパチするつもりはなかったです。

木村 渡辺棋王は「仕掛けられるな」とか感じていましたか。

渡辺 そうですね。(△4五歩と)こないで桂馬が跳べれば(▲3七桂)十分な形なので、「くるんだろうな」とは思ったんですけど。でも、こられると一本道になっちゃうので、それでどうだったのかなというところですよね。

木村 4六で銀が交換になった辺り(63手目▲4六同飛)は渡辺棋王が少しいいんじゃないかという話をしていたんですけれども。渡辺棋王はどうお感じでしたか。

渡辺 手順の流れはいいかなと思ったんですけど、ただ▲3五歩(73手目)に△同歩のときだけはちょっと分かってなかったんですけどね。それで取って(▲4四歩)、銀を入れられた(△3四銀打)ときが。

木村 まだ大変と。

渡辺 いや、どちらかというと攻めきれないんじゃないかと思っていたんですけど。

木村 そうですか。千田さんは先ほどのコメントでは▲2六角(67手目)がなんとかという声がちょっと聞こえたんですけれども。

千田 そうですね。その辺りで形勢判断にミスがあって。ちょっと苦しいと思っていたので、△2六馬(74手目)という悪い変化を選んでしまいました。

木村 渡辺棋王は「勝ちになったな」と思ったのはどの辺りでしょう。

渡辺 ▲3八歩(80手目)と受けたところは「形勢はよくなったな」と思ったんですけど、はっきりしたのは飛車回ったり(83手目▲4六飛)とかして攻め始めたときですよね。▲5四角(85手目)とか。

木村 最後にお二人とも、残り1局となりましたけれども、第5局の抱負をお聞かせください。まず渡辺棋王、お願いします。

渡辺 来週またすぐありますので、そうですね、永世棋王も懸かっていますけれども、1局しかチャンスがない(永世棋王になるには棋王位を連続で5期保持しなければならないので、一度失冠すると初めからやり直しになる)ので、悔いが残らないように指したいと思います。

木村 千田六段、お願いします。

千田 第5局までもう1週間ほどですので、それに向けて調整して臨みたいと思います。

(睡蓮)

Dsc_7130a(終局直後の対局室)

Dsc_7134a(快勝でカド番をしのいだ渡辺棋王)

Dsc_7144a(敗れた千田六段。本局でのタイトル奪取は叶わなかった)

Dsc_7137a(まず主催者によるミニインタビューが行われた)

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■渡辺棋王の談話

――今日は非常に内容がよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
渡辺 先手番らしい将棋にはなったと思いましたが、攻めがつながるかどうかはよく分からなかったです。
――ポイントになった局面はどこでしょうか。
渡辺 戦いが始まってからは変化が少ない将棋だったので……。うーん、▲3五歩(73手目)を突いたときに△同歩だったら、攻めがつながっているかどうかちょっとよく分からなかったんですけどね。
――勝ちを意識されたのは。
▲4六飛(83手目)がぴったりの手になったので、そこは「いいかな」とは思いました。
――これで2勝2敗のタイになりました。第5局の意気込みをお願いします。
渡辺 来週(3月27日)またすぐあるので。最後なので、悔いがないようにしたいと思います。
――永世棋王(棋王位5連覇)がかかる大きな一戦ですが。
渡辺 1局しかチャンスがないので、やはり悔いが残らないようにというか、それに尽きると思います。

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■千田六段の談話

――本局はどこかで誤算があったのでしょうか。

千田 そうですね。▲2六角(67手目)~▲3七桂辺りで、ちょっと悲観していましたね。あそこでもうちょっと頑張る手順を見つけなければいけなかったですね。

――控室では△4五歩(44手目)からの仕掛けがどうだったのかという話も出ていました。
千田 ああ―、まあ、小競り合いという印象ですけれども。△4五歩というのは。
――全般的に千田六段の力が発揮できなかったのかなというように感じたのですが。
千田 うーん、「力が発揮できない」というと変な話になりますので。実力なので、ええ。
――5二金を6二に寄った辺りはどうだったのでしょうか。
千田 代わる手が複数あって……。本譜はバランスを重視した指し方だったのですが、ちょっと一貫性がなかったですね。
――これで五番勝負は2勝2敗になって、最後にあと1局ということになりました。
千田 対局までの時間があまりないので、それに向けて調整するのみです。

(睡蓮)

097棋王戦第4局は17時45分、97手で渡辺棋王が勝ちました。消費時間は▲渡辺2時間51分、△千田3時間59分(持ち時間は各4時間)。渡辺棋王がカド番をしのぎ、決着は最終第5局に持ち込まれました。第5局は3月27日(月)に東京・将棋会館で指されます。


20170320n

前記事の△5二金に、渡辺棋王は12分考えて▲5四角と急所に角を打ちました。それに対して千田六段は一分将棋になるまで考えて△4二金右。形勢は後手がかなり苦しく、あとは先手がどう決めるかという状況のようです。

(睡蓮)