カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第2局」の記事
前夜祭(3)
前夜祭(2)
(主催者あいさつ 鈴木大介九段・日本将棋連盟常務理事)
「おばんでございます。今期竜王戦は藤井聡太四段のデビュー戦、加藤一二三九段との対局で始まり、注目されました。藤井四段は6組優勝しまして、本戦でも大暴れしたのですが、佐々木勇気六段に敗れました。その間に藤井四段が残した成績はなんと29連勝。とてつもない記録を成し遂げました。挑戦者決定三番勝負には羽生棋聖と松尾八段が勝ち上がり、松尾八段は渡辺竜王と兄弟弟子ということで非常に注目を浴びましたが、羽生棋聖が挑戦者となりました。先週、渋谷で行われた第1局は非常にスリリングな熱戦となり、羽生棋聖が先勝しました。皆さまが復興に努めている中、竜王戦を通じてひとときでも楽しんでいただいて、読売新聞社の観戦記をご覧いただきながら思い出していただくことで、明日への活力になる一助になればと思っています」
「今年は藤井四段の活躍をはじめとして、将棋人気が高まった一年だと思います。ここ岩手は映画『3月のライオン』のロケが盛岡で行われまして、将棋人気の高まりを感じています。第30期竜王戦が、震災復興から力強く歩んでいる、ここ大船渡で行われることは非常に喜ばしく思います。対局会場となるリアスホールは、東北有数の音響設備を誇る素晴らしい会場です。震災のときには避難施設にもなったとうかがっています。居心地のいいリラックスできる施設を、最高の対局会場としてご提供いただき、ありがとうございます。ここ大船渡プラザホテルの隣にはキャッセン大船渡がオープンしました。読売新聞としても復興は重要なテーマのひとつです。引き続き取材してまいりたいと思います。大船渡では竜王戦に続いて来年2月は、囲碁の棋聖戦が開催されることが決まっております。将棋の囲碁の最高位棋戦のダブル開催で、この大船渡の復興のあと押しになればと思っています。9年前、第21期竜王戦が平泉町で行われています。奇しくもそのとき対戦したのが渡辺明竜王と羽生善治棋聖でした。当時、永世竜王をかけた名勝負としていまや伝説となっている戦いです。今回、最高の舞台で最高の棋士が最高の勝負を繰り広げてくれることと思います」
(書き起こし=文、写真=紋蛇)
前夜祭(1)
前夜祭は、18時から大船渡プラザホテルで開始されました。会場には関係者のほかに、多くのファンがつめかけました。
(歓迎あいさつ 戸田公明・大船渡市市長)
「将棋界の最高位のタイトル戦であります竜王戦が、この大船渡で行われることは誠に光栄です。また全国各地から大船渡にお越しくださいました皆さまを、心から歓迎いたします。東日本大震災から6年7ヵ月あまりが経過いたしました。皆さまに励ましを受けながら、大船渡市民一同、復興に努めてまいりました。今年の3月、8割近くまで復興が進んでいます。しかしながら、まだ道半ばです。このような素晴らしい対局が行われることで、頑張っている多くの市民に、大きな感動と将来に向けた勇気をいただけるものと思います」
(歓迎あいさつ 斎藤俊明・大船渡市商工会議所会頭)
「東日本大震災で甚大な被害を受けた地域のために、大船渡では平成24年度の王将戦以来の開催となりました。大船渡では今年4月に第2期の街開きが行われ、新しい商店街が誕生しましたが、市の復興はこれからです。大船渡の地場産業は水産業です。三陸の海は黒潮と親潮が交差する豊かな漁場で、世界三大漁場に数えられています。いまはサンマの盛漁期で、新鮮でおいしいサンマの水揚げが連日行われています。青魚のサンマには記憶力によく効くDHA、EPAが多く含まれています。2日間の対局は、大船渡の新鮮な魚を多く食した先生に勝利の女神が微笑むのではと予測しています。大いに大船渡を堪能していただければと思います」
(書き起こし=文、写真=紋蛇)
対局検分
大船渡へ(2)
一ノ関駅に着いたのは14時10分。そこからバスで大船渡市に向かいます。
(一ノ関駅ではポケットモンスターのピカチュウがお出迎え。将棋界最高峰の公式戦「竜王戦」を主催する読売新聞社と日本将棋連盟の全面的サポートを受けて誕生した大会が、「ポケモン竜王戦」だ。将棋界最高峰のタイトル「竜王」の名を冠した、ポケモンバトルの最強プレイヤーを決定する大会。第3回ポケモン竜王戦は、来年の1月18日に開催される。棋士では、元竜王の糸谷哲郎八段、山口恵梨子女流二段が選手として、橋本崇載八段、香川愛生女流三段が解説者として参加する)
大船渡へ(1)
第30期竜王戦七番勝負第2局
渡辺明竜王に羽生善治棋聖が挑戦している、第30期竜王戦七番勝負(主催・読売新聞社)。第1局は、羽生善治棋聖が制しました。
第2局は、2017年10月28、29日に岩手県大船渡市「大船渡市民文化会館」で行われます。持ち時間は各8時間(2日制)。対局開始は9時。1日目18時の時点で、手番の側が封じ手を行います。本局の先手番は、渡辺明竜王です。
立会人は屋敷伸之九段。副立会人・読売新聞観戦記解説は飯塚祐紀七段。記録係は渡辺和史三段(豊川孝弘七段門下)が務めます。現地大盤解説会は、金井恒太六段と本田小百合女流三段が担当します。
中継は、棋譜コメント入力を文、ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いいたします。