2017年10月28日 (土)

前夜祭(2)

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(主催者あいさつ 鈴木大介九段・日本将棋連盟常務理事)

「おばんでございます。今期竜王戦は藤井聡太四段のデビュー戦、加藤一二三九段との対局で始まり、注目されました。藤井四段は6組優勝しまして、本戦でも大暴れしたのですが、佐々木勇気六段に敗れました。その間に藤井四段が残した成績はなんと29連勝。とてつもない記録を成し遂げました。挑戦者決定三番勝負には羽生棋聖と松尾八段が勝ち上がり、松尾八段は渡辺竜王と兄弟弟子ということで非常に注目を浴びましたが、羽生棋聖が挑戦者となりました。先週、渋谷で行われた第1局は非常にスリリングな熱戦となり、羽生棋聖が先勝しました。皆さまが復興に努めている中、竜王戦を通じてひとときでも楽しんでいただいて、読売新聞社の観戦記をご覧いただきながら思い出していただくことで、明日への活力になる一助になればと思っています」

Dsc_4168_2(主催者あいさつ 佐藤俊彰・読売新聞社盛岡支局長)

「今年は藤井四段の活躍をはじめとして、将棋人気が高まった一年だと思います。ここ岩手は映画『3月のライオン』のロケが盛岡で行われまして、将棋人気の高まりを感じています。第30期竜王戦が、震災復興から力強く歩んでいる、ここ大船渡で行われることは非常に喜ばしく思います。対局会場となるリアスホールは、東北有数の音響設備を誇る素晴らしい会場です。震災のときには避難施設にもなったとうかがっています。居心地のいいリラックスできる施設を、最高の対局会場としてご提供いただき、ありがとうございます。ここ大船渡プラザホテルの隣にはキャッセン大船渡がオープンしました。読売新聞としても復興は重要なテーマのひとつです。引き続き取材してまいりたいと思います。大船渡では竜王戦に続いて来年2月は、囲碁の棋聖戦が開催されることが決まっております。将棋の囲碁の最高位棋戦のダブル開催で、この大船渡の復興のあと押しになればと思っています。9年前、第21期竜王戦が平泉町で行われています。奇しくもそのとき対戦したのが渡辺明竜王と羽生善治棋聖でした。当時、永世竜王をかけた名勝負としていまや伝説となっている戦いです。今回、最高の舞台で最高の棋士が最高の勝負を繰り広げてくれることと思います」

(書き起こし=文、写真=紋蛇)