三浦八段に好手と思われる手が出た矢先、丸山九段が△2八角と勝負手を繰り出した。
先手が▲2九飛と避けながら角を取りに来れば、△3八歩成▲同銀△4六角成で4五の桂を取ってしまおうという狙いだ。
▲4九飛と逃げてくれるならば、先手の飛車が活躍しにくい形になって後手としては満足だろう。
深く考える程、この△2八角は対処が難しいようだ。
この一手が、後手の反撃の狼煙となるのだろうか。
三浦八段に好手と思われる手が出た矢先、丸山九段が△2八角と勝負手を繰り出した。
先手が▲2九飛と避けながら角を取りに来れば、△3八歩成▲同銀△4六角成で4五の桂を取ってしまおうという狙いだ。
▲4九飛と逃げてくれるならば、先手の飛車が活躍しにくい形になって後手としては満足だろう。
深く考える程、この△2八角は対処が難しいようだ。
この一手が、後手の反撃の狼煙となるのだろうか。
堀口七段「進んでみると、後手玉の陣形は悪いのですが、先手が攻めきるのは容易ではない局面に見えます。△3四銀(36手目)を見た時はこれで受けきれているのか心配でしたが、結果的には凄い受けでしたね。先手は、歩が1枚しかないのが厳しいところ。攻めが繋がるかどうか心配です。この▲3九飛は、次に▲3六銀とぶつける狙いでしょう」
後手は△4四歩と先手の桂を取りにいきたいが、今すぐでは歩を突いた瞬間に▲7一角と打たれ、△7二飛▲5三角成△4二角▲4四馬で無理がある。
4五の桂を取りにいくのは、先手の攻めをある程度凌いでからだろう。
後手は、しばらく辛抱の時間になりそうだ。
三浦八段の攻めに対して、丸山九段は△3四銀(36手目)と一見すると危険に見える気迫の受けで対抗しました。
これには、堀口七段も「顔面受けとでも言うのでしょうか。凄い受け方ですね」と驚きを隠せない様子。
堀口七段「感想戦を聞いてみないと、自分にはわかりません。後手はこれで耐えられているのでしょうか。難しいように見えますが、どちらにしろ先手は行くしかないですよ」
【局面図】は37手目▲2四歩まで、15時頃の局面。三浦八段は26分の考慮で▲2四歩と決断している。
ここまでの消費時間は▲三浦3時間6分、△丸山2時間34分。(持ち時間、各5時間)
15時45分。まだ互いに駒組みが続きそうな局面で、三浦八段がいきなり▲3五歩と仕掛けました。(画面左・局面図)
予想されていた自然な進行は、▲5六銀△5四銀と互いに陣形を整えていくもの。
前例の無い手で、まさに意表を突く仕掛けです。
先手が狙っているのは、△同歩▲4五桂△2二銀▲7一角△7二飛▲5三角成(参考図)といった攻め筋。「こう進めば、先手勝勢です」と堀口七段。
また、「三浦さんが積極的に動きました。これは面白い手ですね。1筋の歩も突き捨てて攻めを繋げていくのではないでしょうか。この▲3五歩を(狙い筋を気にして)△同歩と取れないようでは後手が厳しいだろうなぁ…」と堀口七段は現局面を見ています。
三浦八段の仕掛けによって、急に局面が慌ただしくなってきた本局。丸山九段はどのように対処するのでしょうか。
(14時40分頃の対局室の光景。互いに扇子を片手に考えている)
堀口七段「後手が態度を決め、前例のある局面に合流しましたね。角換わりの戦型では『角を打ち込まれやすくなるので5筋の歩を突かないほうがよい』といった格言もありますが、一方的に攻められる展開にしないという点も重要です。矢倉戦とは違い、互いに角を手持ちにしている角換わりでは相手の攻めを受け切るのが非常に難しいからです」
居玉のまま右玉に構える含みを残していた後手ですが、30手目に△4二玉と態度を明らかにしました。
この一手で、プロの公式戦においても前例のある局面に合流。
一見すると先手と後手は同じような陣形にも見えますが、後手が△8五桂と跳ねられるのに対して、先手は▲2五歩としているので▲2五桂とは跳ねられない点など、細かな差があります。
このような差が、今後どのように影響してくるか。局面は、これから中盤戦に突入しようとしています。