前例を離れる 図は14時過ぎの局面で、八代七段が▲6八金寄として前例から離れたところです。この手で▲3八飛や▲2六飛なら前例があり、久保九段は▲3八飛と寄られた将棋を経験していました。6八に金を寄った形は「箱入り娘」と呼ばれている玉形で、本局のような右銀急戦では時折り出現する形です。船囲いから1手進めただけで玉の守りがそこそこ強化される点が魅力。反面、玉の右辺への逃げ道がなくなっており、8七の地点を攻められるとすぐに詰めろが掛かります。 (朝、着座の前に軽く足を伸ばす八代七段)
イレブンのサービスランチ「エビフライ&カニクリームコロッケの盛り合わせ」 両対局者が昼食時に注文したイレブンのサービスランチ、「エビフライ&カニクリームコロッケの盛り合わせ」を紹介します。 (「エビフライ&カニクリームコロッケの盛り合わせ」。水曜日のサービスランチはほかに、「豚ロース肉のしょうが焼き」の2品から選べる。ただし、第1、第4水曜は定休日) (大きくてプリプリのエビフライが3本、タルタルソースが掛けられて出てきた) (こちらは程よい大きさのカニクリームコロッケ。デミグラス風のソースは見た目とは違い控えめな味で、女性にも好まれそうだ)
昼食休憩明けの一手は▲3五歩 12時40分に対局が再開されました。八代七段はさらに3分ほど考えると、▲3五歩と開戦しました。対して、久保九段は自身の前例通り、△3二金と上がって迎え撃つ姿勢を取りました。 (12時35分、久保九段がすでに対局室に戻っていた) (12時38分、八代七段が対局室に戻った) (12時40分に対局再開。それから2分たっても八代七段に着手の気配はなく、対局室をあとにすることに) (部屋を出ようとした瞬間、八代七段が▲3五歩を着手した)
昼食休憩 図の局面で八代七段が17分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲八代55分、△久保51分。昼食時の注文はともにイレブンのサービスランチで、「エビフライとカニクリームコロッケの盛り合わせ」。対局は12時40分に再開されます。
経験のある形に 11時42分、久保九段は△8二玉と美濃囲いに入城しました。前例は7局と少ないながら久保九段にとって経験のある形で、2000年11月21日に、第26期棋王戦挑戦者決定トーナメントの谷川浩司九段戦で指しています。いまから20年と9ヵ月前の将棋で当時六段だった久保九段ですが、その将棋を覚えているでしょうか。なお、その対局では図から▲3五歩に△3二金とした久保六段が勝っています。 (久保九段は20年以上前に指した将棋を覚えているかどうか)
竜王戦七番勝負初登場はどの棋士になるか すでに決勝トーナメント準決勝には、永瀬拓矢王座(1組優勝)、藤井聡太王位・棋聖(2組優勝)、梶浦宏孝七段(4組優勝)の3人が進出を決めており、本局の勝者が最後のベスト4進出者となりますが、本局で久保九段と八代七段のどちらが勝ったとしても、今期の挑戦者は本棋戦での七番勝負初登場が決まっています。豊島将之竜王への挑戦権を得るのは、果たして5人のうちどの棋士になるでしょうか。
先手の作戦は? 図は11時過ぎの局面。八代七段が▲5七銀と上がったところです。先手はこのあとさまざまな作戦が可能ですが、八代七段はどういった構想を練っているでしょうか。作戦が注目されます。 (八代七段はどういった作戦を採るか)
戦型は後手四間飛車 戦型は久保九段の角道を止める後手四間飛車となりました。久保九段は玉の移動を保留して藤井システム模様で指しています。 (本日の関西将棋会館対局ボード) (本局は御上段の間で指されています)