前例を離れる 図は14時過ぎの局面で、八代七段が▲6八金寄として前例から離れたところです。この手で▲3八飛や▲2六飛なら前例があり、久保九段は▲3八飛と寄られた将棋を経験していました。6八に金を寄った形は「箱入り娘」と呼ばれている玉形で、本局のような右銀急戦では時折り出現する形です。船囲いから1手進めただけで玉の守りがそこそこ強化される点が魅力。反面、玉の右辺への逃げ道がなくなっており、8七の地点を攻められるとすぐに詰めろが掛かります。 (朝、着座の前に軽く足を伸ばす八代七段)