2020年11月の記事

2020年11月 8日 (日)

15時、両対局者の控室におやつが運ばれました。注文は、豊島竜王が「西陣風味」と「グレープフルーツ100%ジュース」、羽生九段が「モンブラン」と「紅茶」。豊島竜王のドリンクは対局室に用意されます。

Img_9684_o01 (豊島竜王の注文。「千本玉壽軒」提供)

Img_9671_o03 (羽生九段の注文。これまでにも提供があった「京都ホテルオークラ」より)

【千本玉壽軒】
http://sentama.co.jp/

Img_8178 (渡月橋)

桂川両岸をつなぐようにして渡月橋が架かっています。長さは155メートル。橋の上空を移動していく月を眺めつつ、「くまなき月の渡るに似る」と亀山上皇が感想を述べたことから名づけられました。
行政上の表記は「桂川」ですが、渡月橋周辺を「大堰川」、上流を「保津川」、下流を「桂川」とその名を変えて称されます。南流する中で複数のほかの川と合流し、大阪府に入ったところで「淀川」に。関西将棋会館周辺を通って大阪湾に流れ込みます。

Img_8166 (別アングルから)

Img_8444 (夜景)

Img_9573_h_miya (昼食休憩中、宮本五段に1日目の流れ、封じ手付近、2日目昼食休憩の局面、の3点について述べていただいた)

「対局1日目は、先手の羽生先生が歩得主張、後手の豊島先生が手に乗って指す、という構図でした。形勢のバランスは取れていたと思います。2日目に入って52手目△5六歩のあたりは、羽生先生が自然な対応をしているとまずくなりそうに見えました。次の▲8六角は苦労をされている印象でしたね。局面を収めるためにそこから角を何度か移動しています」(宮本五段)

20201107_61_2 「昼食休憩に入った61手目▲9八歩のところは、▲4八玉~▲3九玉までいけば先手玉も安定します。ただし後手陣のほうが伸び伸びとして駒が働いていますし、先手の3六飛が窮屈にもなってきました。私ならば少し後手を持って指してみたいです」(宮本五段)

20201107_6112時30分、図の局面で豊島竜王が9分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生5時間34分、△豊島5時間19分(持ち時間各8時間)。昼食の注文は、豊島竜王が「桜御膳」、羽生九段が「御室御膳」。対局は13時30分に再開します。

Img_9577_h_soto (対局室外観と庭園)

Img_9580_h_heya (昼食休憩時の対局室)

Img_9538_o02 (大盤解説会で爽やかに解説をする宮本五段)

※事前申し込み制、完売済です。

Img_9530_o (藤井女流初段。このときは「千日手」というワードも出ていた)

Img_9543_o03 (観客の席間は、通常よりも広く取られていた)

20201107_53端角を上がり、控室では「柔らかい手」や「後手はどの変化でも歩の枚数が足りていない印象」など、先手ペースとのニュアンスで検討されています。この手に対し、豊島竜王は1時間29分の長考で△5七歩成としました。この長考の意味は、踏み込むための準備なのか、それとも。以下▲同銀△8五歩まで進み、時刻は11時25分です。

20201107_56

Img_9412_z_habu01 (羽生九段は相手の攻めをいなせるか)

Img_9271 (紅葉。水が滴るのは、昨日の雨か、朝露か)

Img_8275 (後方にそびえるのが嵐山。観光地として、周辺全域をそう呼ぶことが多い)

京都市の観光地で、国の史跡名勝に指定されています。地名としては桂川右岸(京都市西京区)のことを示しますが、一般的には嵯峨野と呼ばれる左岸(京都市右京区)も含めた一帯を嵐山と称します。春は桜、秋は紅葉の名所として有名です。

Img_8185 (屋形船)

Img_8217 (人力車)

Img_8177

Img_8368

Img_8399 (京福電気鉄道「嵐山駅」。京都らしい雰囲気を醸し出している)

※第3局のブログ記事において、嵐山など一部の風景撮影は事前に行っております。あらかじめご了承いただければ幸いです。

Img_9459_h1000a (大盤解説会の聞き手を担当する藤井奈々女流初段。昨日も披露した烏帽子姿の畠山鎮八段と)

Img_9504_h1000b (大盤解説会の解説を担当する宮本広志五段。森安正幸七段門下で、畠山鎮八段の弟弟子にあたる)

Img_9521_h1000c (福崎九段。本日もご時世対策万全で継ぎ盤を囲む)