2020年11月の記事

2020年11月 8日 (日)

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七番勝負第3局、▲羽生善治九段-△豊島将之竜王戦は、19時51分、172手で豊島竜王の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生7時間59分、△豊島7時間58分。
これで七番勝負は豊島竜王2勝、羽生九段1勝となりました。第4局は11月12、13日(木、金)に、福島県福島市「吉川屋」で指されます。

20201107_163羽生九段が最後の反撃に出ましたが、以下△5三同歩の瞬間に先手玉に詰めろが掛かるのではないかと控室ではいわれています。代えて▲5三桂でも△同歩で、先手玉に詰めろが掛かるといわれていました。

Img_9219 (激しい攻防。ついに終局の時が近づいたようだ)

20201107_135 この少し前には中盤にもあった「千日手」のワードが出ましたが、134手目△6六角▲5七銀のやりとりを見て「千日手はなくなりました」と畠山鎮八段。豊島竜王が寄せきるか、そうでなければ羽生九段が逆転、という最終盤に突入しています。

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Img_9364_z_habu03_2 (控室では先手玉の寄りは発見されていない。羽生九段が押し返したか)

20201107_122桂を取り払う△6五銀に、継ぎ盤前からは「うわー、読んでない」との声が。代えて△2六歩▲3八玉△2七銀▲3九玉△3六銀成以下の直接的な攻めが主に調べられていました。この一手に4分を使い、豊島竜王は残り7分。もう長考はできません。対する羽生九段は20分を残しています。

Img_9403_z_toyo01_2 (ひねった手順を決行した豊島竜王)

20201107_102 以下▲3六飛に△2五歩が味のよい突き出しだと調べられ、控室では「妙手順だ」との声が上がっています。どこもかしこも駒がぶつかる難解な局面ではありますが、棋士目線では豊島竜王持ちのようです。

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Img_9735_h1700b (福崎九段は少し離れて、口頭で検討に参加。「プロでも気づきにくいですよ」と、98手目△2六香以下の一連の手順を評価している)

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Img_9733_ob02 (少し前の大盤解説会では、宮本五段が眉間にシワを寄せて考えていた)

20201107_8116時台、徐々に両者の着手ペースが上がってきました。この▲2八玉は次に▲3五角△同角▲同飛と角交換をしたとき、以下△6五銀▲同銀△5七角が王手飛車取りにならないように3九玉型を回避した意味です。

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「先手は次に▲3五角△同角▲同飛としたあと、▲8三角と打ち込むといった明確な狙いがあります。美濃囲い対居玉という模様なので、堅さを主張に戦えます。対する後手はそうされないよう、何とか動いていきたいですよね。進行の一例は、現局面から△6五銀▲同銀△9九角成▲7七角△同馬▲同金に△3四香(変化図)から先手玉のコビンを攻めてどうかです。その前に△1五歩▲同歩を利かすかなどは考えます」(畠山鎮八段)

いずれにせよ、そろそろ本格的に駒がぶつかってきそうです。

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Img_9615_ob01 (このおふたりが大盤解説のため、控室から移動中)

Img_9624_ob02 (福崎九段と藤井女流初段。笑顔の絶えない空間がそこにはあった。本来は写真右側に解説役が立つものだが、登壇前の「じゃあ今日はこっちでやろか」のひと言で配置が入れ替わった)

Img_9701_h1500 (こちらは控室の様子。畠山鎮八段と高野秀六段が盤面モニターを確認中)