2020年7月の記事

2020年7月23日 (木)

2020072374△5七角や△7九角の両取りが見えた局面でしたが、佐々木七段は△3六歩と打ちました。(1)▲3六同金は△3五歩で拠点を作れます。以下、(A)▲同金は△5七角。(B)▲4六金は△3四金で、▲3五桂が消えるぶん、自玉が安全になります。(2)▲3六同銀は△5七角▲6四飛△4六角成▲6三飛成△3六馬(変化図)で、後手優勢です。
80Img_4750(佐々木七段は、形勢をよくできるか)

202007237318時40分の対局再開後も佐々木七段は考え続け、夕食休憩を挟んで56分の長考で△6八銀不成と角を取りました。後手は▲3三桂からの攻めに気をつける必要があり、その順を深く読んでいたのではないか、と推察されます。
対して久保九段はすぐに▲6八同飛と応じました。一気に終盤戦に突入する気配が漂っています。
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Img_4759(▲6八同飛を見て、再び考慮に沈む佐々木七段。残り時間が1時間を切った)

202007237118時、この局面で佐々木七段が26分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲久保3時間23分、△佐々木3時間20分。夕食は久保九段がちゃんぽんセット(みんみん)、佐々木七段がゴーヤチャンプルー(内山田)。対局再開は18時40分です。

Img_4815(夕食休憩に入っても、佐々木七段はしばらく考えていた)

2020072363久保九段は玉頭から反発します。△3五同歩なら▲4七桂が予想される一手で、先手は手持ちの桂を生かせそうな形になります。
対して佐々木七段は、突き出された歩には触らずに△4五歩▲同金△4四歩(下図)と、金をおびき寄せました。2020072366以下、▲3四金には△5六歩▲4三金△同銀と進めれば、次に△3六歩▲同銀△4六金が楽しみになります。
どうやらこの3、4筋の争いが形勢の分かれ目といえそうです。

Img_4792(大阪の空は一日を通して、薄い雲がかかっている)

1階、販売課には両対局者にちなんだ商品が販売されています。
Img_4791(入り口入ってすぐ右手に位置する)

Img_4782(久保九段の扇子)
Img_4787(勇気流を詳細に解説した著書)

Img_4808(関西では本日から発売となったAbemaトーナメントTシャツ)

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【日本将棋連盟Digital Shop】
https://item.rakuten.co.jp/shogi/c/0000000274/

202007234815時30分頃の局面です。佐々木七段は△4五歩と突き出しました。▲同歩は△同桂が玉のコビンを攻めつつ△5七桂右(左)成を狙って厳しいです。久保九段は上図から▲6六銀△4六歩▲4八金引と進めました。そこで、佐々木七段は△5七桂成と取られそうな桂を成り込みます。2020072352ここから(1)▲5七同金△4五桂▲同桂△4七歩成が狙いで、以下、▲5五歩△5七と▲同銀に△5五角(変化図)が王手飛車取りとなり、後手優勢になります。60よって、(2)▲5七同銀△4五桂▲2九玉△3七桂成▲同金左△4五桂▲4六銀△3七桂成▲同銀(変化A図)と進めてどうか。61佐々木七段が久保九段の仕掛けをうまく逆用する展開となるのでしょうか。
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Img_4703(久保九段は慎重な対応が求められそうだ)

関西将棋会館2階には、一般のお客様が将棋を楽しめる道場があります。現在はコロナウイルス感染症の影響で普段の道場とは違い、席数を減らすなどの防止策を施しての運営を続けています。

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Img_4711(今日の指導対局は山本真也六段)

Img_4707(運営カレンダー。奨励会の影響もあり、日曜日が定休日となっている)
Img_4708(各テーブルに備えつけの消毒用アルコール)

2020072340対局再開から3手しか進んでいません。佐々木七段は34分の長考でひとつ角を引きました。この手に対して先手が8筋を受けず▲5六歩と突くと、△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△7七角成▲8二飛成△6七馬▲8一竜△4九銀(変化図)が一例です。後手のほうが早く先手の囲いに手をつけられるので、後手が指しやすくなりそうです。△6四角は、先手に▲8八飛を強要する意味があるといえます。

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Img_4680(朝の佐々木七段)

Img_4715(昼食休憩時▲3八金までの局面)
Img_4721(換気のため、窓は明けてある)
Img_4724_2(久保九段注文のプレミアム和牛ハンバーグ)
Img_4727(佐々木七段注文のゴーヤチャンプルー。どちらも内山田のメニュー)