2020年7月の記事

2020年7月24日 (金)

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本局の戦型は両者が得意とする角換わりに。丸山九段は右銀を1五に繰り出して棒銀の構えを採っています。対する藤井聡棋聖は11分の考慮で△4五角(図)と打ちました。△6七角成を見せつつ▲2四歩△同歩▲同銀に△2七歩を用意した意味でしょう。しかし△6七角成の狙い自体は▲7八金で簡単に防がれます。藤井聡棋聖は4五角をどう使っていくのでしょうか。Gozenn

Syoukai2 丸山九段は第4期からの出場で、通算成績は101勝64敗。決勝トーナメントには12回目の出場です。ランキング戦1組優勝は5回、七番勝負登場は第24期、第25期、第29期の3回と、見事な実績を挙げています。今期は2組ランキング戦で準優勝し、決勝トーナメントに駒を進めました。

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藤井聡太棋聖の竜王戦通算成績は24勝3敗。第30期からの参加でランキング戦は4期連続優勝しており、決勝トーナメント参戦は4年連続4回目となります。過去に喫した3敗の相手は第30期が佐々木勇気七段、第31期が増田康宏六段、第32期は豊島将之名人です。第30期の佐々木勇気七段戦はデビューから続いた29連勝が止まった一戦でもあります。しかしその後の活躍はご存じの通り、今期も優勝候補のひとりでしょう。

定刻の10時。対局が開始されました。

Photo_2(藤井聡棋聖)

Photo_3(丸山九段)

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(振り駒の模様)

Photo_5(結果は「と」が4枚。丸山九段の先手番に決まった)

Photo_7(開始後の特別対局室)

7月22日(水)は決勝トーナメントの丸山忠久九段(2組2位)-藤井聡太棋聖(3組優勝)の一戦を中継します。
対局は東京・将棋会館「特別対局室」で10時開始。持ち時間は各5時間。先後は振り駒によって決定されます。
本局の中継は棋譜コメントを吟記者が、ブログを康太が担当いたします。よろしくお願いいたします。

【読売新聞】
http://www.yomiuri.co.jp/

【竜王戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

Asa (9時20分頃の特別対局室。記録係が駒の準備をしていた)

2020年7月23日 (木)

Img_4819(久保利明九段が最終盤で逆転に成功)

Img_4821(佐々木勇気七段はどこかで誤算があったか)

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以上で、本局の中継を終了します。
次戦は、明日7月24日(金・祝)に、丸山忠久九段(2組2位)と藤井聡太棋聖(3組優勝)の一戦をお送りいたします。本日はご観戦ありがとうございました。

20200723101_2久保九段がやや劣勢ながらも差をつけさせない指し回しで、最終盤で逆転に成功したようです。
上図は先手玉が詰みません。一例は△3六金▲5八玉△3四金▲2四桂△同歩▲2三銀(変化図)で、後手玉は受けが難しいです。107_2Img_4675(腰を落としてじっくり時間を使い、11分の考慮で▲4七玉と引いた)

2020072383_2久保九段は△8九飛成を防がず、▲3四歩と攻め合いを目指しました。△同銀は▲同金△同金▲4六桂で、手順に迫れます。以下、(1)△8九飛成は▲6九歩。(2)△3六桂も▲1七玉で踏ん張れる形です。
佐々木七段は、▲3四歩を放置して△3六桂と打ちました。先手の応手をたずね、それから指し手を決めようとしているのでしょうか。
Img_4817(時刻は20時30分を回った)