2017年10月28日の記事

2017年10月28日 (土)

竹井粋鏡・日本将棋連盟非常勤理事(左)より、戸田公明・大船渡市市長(右)に見舞金が贈呈されました。
この見舞金は、指導対局のイベントを行い、棋士は無償で協力して集められたもの。その売り上げを東日本大震災の被災地に送り続けている活動です。
見舞金が手渡されると、会場から大きな拍手が起こりました。

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前夜祭は盛会のうちに終了しました。

屋敷九段と飯塚七段の見どころ紹介です。

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屋敷 明日は食事に注目していただきたいですね。
飯塚 予想手は?
屋敷 やはり海鮮系でしょうね。

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飯塚 私は震災のあった年に大船渡に来ていまして、その後も何回か来ているのですが、お魚がおいしく、来るたびに好きになっています。屋敷さんは大船渡には王将戦のときに来られているそうですが。

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屋敷 はい。先ほど渡辺竜王が「嫌な思い出」といっていましたが、それで思い出されたのかなと。
飯塚 戦型予想は、第1局は羽生さんが先手で相掛かりになりましたよね。第2局は渡辺さんが先手ですから、角換わりかなと。羽生さんの都市伝説として、関係者や立会人の得意戦法を指すというものがあります。今日は鈴木大介さんがいるので力戦振り飛車、屋敷さんがいるので二枚銀になるかもしれません。
屋敷 二枚銀は絶対ないでしょうね(笑)。私はなんとなく雁木系になるのかなと思っています。熱戦になることは間違いないでしょう。

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(書き起こし=文、写真=紋蛇)

対局者のあいさつです。渡辺竜王、羽生棋聖の順に行いました。このあと、両対局者は明日に備えて会場をあとにしました。

Dsc_4231(渡辺明竜王)

「皆さまおばんでございます。こちらで対局をさせていただくのは2013年の王将戦以来です。街の景色はいくらか建物が増えたかなという印象なのですが、こちらに来るまでの景色を見ると、まだ復興には時間がかかるのかなと感じました。私は2015年に震災復興のイベントでこちらに来たのですが、そのような支援を続けていかなくてはいけないとあらためて感じました。今期竜王戦は先週開幕しました。明日からは第2局、野球の日本シリーズも始まりますが、野球ではよく第2戦が大事といわれます。私は第1戦を負けているのですが、第2戦こそが大事という意気込みで明日から頑張りたいと思います。前回の王将戦では負けてしまい、今日の下見で嫌な記憶を思い出したのですが、連敗して大船渡から足が遠のいてしまうことがないよう、頑張りたいと思います。明日からの第2局、「さすが竜王戦だな」と地元の皆さまにうななっていただけるような将棋を指したいと思います」

Dsc_4241(羽生棋聖)

「あらためましてこんばんは。岩手県は10回以上いろいろな形で訪れているのですが、大船渡に来るのは初めてです。いろいろな場所に行ってみて、岩手県はすごい広い場所なんだなとつくづく実感しました。地図を見るだけでなく、実際その場所に行ってみることが大切なんだなと感じています。先ほどリアスホールで対局場の検分をしました。非常に落ち着いた雰囲気の場所で、2日間じっくり集中して将棋が指せる環境だなと思っています。将棋のいいところは、小さなお子さまから年配の方まで、ひとつの盤で楽しめるのが魅力のひとつと思っています。一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」

(書き起こし=文、写真=紋蛇)

乾杯後、渡辺竜王と羽生棋聖のもとにファンが殺到し、歓談や記念撮影を行いました。両対局者はリラックスした表情でファンとの交流を楽しんでいました。

そのあとに行われたのが、花束贈呈です。プレゼンターは、大船渡つばき娘の及川葉子さんと鈴木唯純さん、そして日本将棋連盟大船渡支部の畠山公さんと畠山史子さんが務めました。

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前夜祭で提供された、料理の一部をご紹介します。海が豊かな大船渡市らしく、海産物を使ったメニューが多かったです。ビールは、今年の夏に収穫した岩手県産のホップを使ったもの。華やかな香りが特徴です。

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(主催者あいさつ 鈴木大介九段・日本将棋連盟常務理事)

「おばんでございます。今期竜王戦は藤井聡太四段のデビュー戦、加藤一二三九段との対局で始まり、注目されました。藤井四段は6組優勝しまして、本戦でも大暴れしたのですが、佐々木勇気六段に敗れました。その間に藤井四段が残した成績はなんと29連勝。とてつもない記録を成し遂げました。挑戦者決定三番勝負には羽生棋聖と松尾八段が勝ち上がり、松尾八段は渡辺竜王と兄弟弟子ということで非常に注目を浴びましたが、羽生棋聖が挑戦者となりました。先週、渋谷で行われた第1局は非常にスリリングな熱戦となり、羽生棋聖が先勝しました。皆さまが復興に努めている中、竜王戦を通じてひとときでも楽しんでいただいて、読売新聞社の観戦記をご覧いただきながら思い出していただくことで、明日への活力になる一助になればと思っています」

Dsc_4168_2(主催者あいさつ 佐藤俊彰・読売新聞社盛岡支局長)

「今年は藤井四段の活躍をはじめとして、将棋人気が高まった一年だと思います。ここ岩手は映画『3月のライオン』のロケが盛岡で行われまして、将棋人気の高まりを感じています。第30期竜王戦が、震災復興から力強く歩んでいる、ここ大船渡で行われることは非常に喜ばしく思います。対局会場となるリアスホールは、東北有数の音響設備を誇る素晴らしい会場です。震災のときには避難施設にもなったとうかがっています。居心地のいいリラックスできる施設を、最高の対局会場としてご提供いただき、ありがとうございます。ここ大船渡プラザホテルの隣にはキャッセン大船渡がオープンしました。読売新聞としても復興は重要なテーマのひとつです。引き続き取材してまいりたいと思います。大船渡では竜王戦に続いて来年2月は、囲碁の棋聖戦が開催されることが決まっております。将棋の囲碁の最高位棋戦のダブル開催で、この大船渡の復興のあと押しになればと思っています。9年前、第21期竜王戦が平泉町で行われています。奇しくもそのとき対戦したのが渡辺明竜王と羽生善治棋聖でした。当時、永世竜王をかけた名勝負としていまや伝説となっている戦いです。今回、最高の舞台で最高の棋士が最高の勝負を繰り広げてくれることと思います」

(書き起こし=文、写真=紋蛇)

前夜祭は、18時から大船渡プラザホテルで開始されました。会場には関係者のほかに、多くのファンがつめかけました。

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Dsc_4157 (歓迎あいさつ 戸田公明・大船渡市市長)

「将棋界の最高位のタイトル戦であります竜王戦が、この大船渡で行われることは誠に光栄です。また全国各地から大船渡にお越しくださいました皆さまを、心から歓迎いたします。東日本大震災から6年7ヵ月あまりが経過いたしました。皆さまに励ましを受けながら、大船渡市民一同、復興に努めてまいりました。今年の3月、8割近くまで復興が進んでいます。しかしながら、まだ道半ばです。このような素晴らしい対局が行われることで、頑張っている多くの市民に、大きな感動と将来に向けた勇気をいただけるものと思います」

Dsc_4160(歓迎あいさつ 斎藤俊明・大船渡市商工会議所会頭)

「東日本大震災で甚大な被害を受けた地域のために、大船渡では平成24年度の王将戦以来の開催となりました。大船渡では今年4月に第2期の街開きが行われ、新しい商店街が誕生しましたが、市の復興はこれからです。大船渡の地場産業は水産業です。三陸の海は黒潮と親潮が交差する豊かな漁場で、世界三大漁場に数えられています。いまはサンマの盛漁期で、新鮮でおいしいサンマの水揚げが連日行われています。青魚のサンマには記憶力によく効くDHA、EPAが多く含まれています。2日間の対局は、大船渡の新鮮な魚を多く食した先生に勝利の女神が微笑むのではと予測しています。大いに大船渡を堪能していただければと思います」

(書き起こし=文、写真=紋蛇)

16時30分ごろ、対局場の「大船渡市民文化会館」で、対局検分が行われました。

対局検分は、対局に使う盤駒、対局場の温度や明るさが対局に適したものであるかを確認することです。今回は特に問題なく、数分で終了しました。

「大船渡市民文化会館」でタイトル戦が行われるのは、第62期王将戦七番勝負第3局▲佐藤康光王将-△渡辺明竜王戦以来のこと。当時の立会人は、屋敷九段でした。

盤は日本将棋連盟所蔵のもの、駒は地元の愛棋家の盛上駒が使われることになりました。詳しくは、明日に紹介します。

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Dsc_4137(「よい駒じゃないですか。指してみたいですねぇ」と飯塚七段。屋敷九段は「指したら怒られちゃいますね」と笑った)