2015年11月の記事

2015年11月19日 (木)

前夜祭終了後、対局者と関係者の会食会が開かれました。
一部ですが料理の写真を掲載します。

【風月の膳】
食前酒 ざくろワイン
前菜  蟹 養老玉締め 芋 蛸 南瓜 南瓜ソース
    海老 きのこ アボカドソース
造り  四種盛り
口替り 松茸土瓶蒸し
煮物  吉次煮付け
主菜  吉川屋名物 国産牛りんご焼き 青梗菜 エリンギ
焼物  合鴨の桑焼き たらば蟹 米茄子
冷菜  きのこと秋野菜の海鮮サラダ 帆立 メイプルサーモン
御飯  きのこ御飯
止め椀 なめこ汁
香の物 三種盛り
デザート 季節のフルーツ

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前夜祭の料理の一部を紹介します。

A413 (立食形式。海と山の幸が盛りだくさんだった)

A229 (造り盛り合わせ)

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A368 (蟹・ブロッコリーの卵白ソース)

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A383 (フルーツ盛り合わせ)

A386 (しんごろう餅 椎茸田楽)

A245 (桜さしサラダ)

A636 (芋煮汁)

A440 (握り寿司)

A451 (天ぷら)

2015年11月18日 (水)

島九段、中村修九段、真田七段の3人が第4局の見どころを語りました。

A649 (島朗九段=日本将棋連盟常務理事)

島 私は今年、読売新聞社さまの協力をいただきまして、「竜王戦を読む」というイベントを開催しました。子供たちに新聞の将棋欄を読むことを通じて、集中力を高めることなどを教えるものです。福島で行いたかったので、ご協力いただけたこと、本当に感謝しています。私は「あったかふくしま観光交流大使」をやらせていただいておりますので、福島に足を運んでいただいて、果物をいっぱい買ってもらって、福島のよさを感じてもらうのが仕事だと思っています。

中村 おばんでございます。私は棋士会でイベントをやって福島には毎年来ていまして、そのたびにたくさんの方に集まっていただきまして、将棋熱を感じています。

真田 福島県は男性棋士がなかなか誕生しない中で、私の妻、真田彩子が女流棋士で福島出身ということで、いろいろかわいがっていただきました。私も結婚して以来、福島で将棋を教えています。

中村 明日の対局の見どころですが、2勝1敗で迎えた第4局の大きさは、皆さんだいたいわかると思います。3勝すればタイトルに大きく近づきますし、2勝2敗になればそこから勢いもつきます。皆さん、タイトル戦が終わったあと、感想でいいますよ、勝ったほうが。「あの福島対局が大きかったですね」と。それくらい明日からの将棋、勝ったほうがタイトルをとるんじゃないかというくらい、二人の中では力の入る大きな勝負だと思います。私自身も楽しみにしています。

真田 ここまでの3局が、序盤から中盤で渡辺棋王が押している内容なんですよね。第1局もそうだったんですが、結果はここまで2勝1敗。渡辺棋王としては、3つとも勝てたという思いがあるはずです。糸谷将棋は個性的です。普通の棋士なら抵抗感があるところでもまったく感じさせない、糸谷ワールドみたいなものがあります。

中村 第1局、渡辺さんが勝ったかなと思ったんですが、指せば指すほど差が詰まる、不思議な将棋だなあと思っていました。糸谷さんも、竜王になって1年目というのは大変だと思うんですよ。たとえば序列が下のところから、一気に1位になっちゃうわけですね。普通にやれっていっても大変で、生活が変わってきますから。渡辺さんも竜王を防衛してからほかの棋戦も勝つようになりました。同じようなものを糸谷さんに感じるので、今回防衛すると、どんどん大きくなっていくようなイメージがあります。

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真田 戦型はどうですか。

中村 戦型は横歩取りが60パーセント、角換わりが40パーセントかなと。

真田 渡辺棋王次第ですよね。角換わりを受けて立つかどうか。

島 この2人だと、何時に終わるかわからないスリル感がないですか。

中村 確かに2人とも早見え、早指しのところがありますからね。時間を使わなかったら1日目で終わっちゃうんじゃないか……そんな心配もしましたが、これまでの3局を見て、長考もしますし、意外に面白いなと思います。

島 新聞社の都合上、バランスを保って、優劣がない状態で2日目に入っていただきたいと思いますけども。

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中村 いまそれで思い出したんですけども、第1期竜王戦って知ってます?

島 知ってます。関係者です。

中村 第1期、米長先生と島さんがお互い割と意地っ張りだったので、毎局1日目で形勢がはっきりしていたんですよ。

島 1日目で銀得したことがあってびっくりしました。

中村 明日は大盤解説会で解説をしますので、トップ棋士の息遣いというのを、味わっていただければと思っています。

真田 福島で名勝負を堪能していただきたいと思います。

島 明日は飯塚さんと、中村さんのお弟子さんの香川さんがいらっしゃって対局を盛り上げてくれると思います。少しでも竜王戦を多くの方に楽しんでいただけるよう、伝えていくのが責務だと思っています。明日からまたよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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A576 (糸谷哲郎竜王)

皆さまこんばんは。福島民友新聞社さま、創刊120周年おめでとうございます。福島に私自身が来たのは初めてなのですが、ここ福島は祖父母が長く働いた地でありまして、また母の生地でもあります。祖父は仕事の合間にこの地の温泉を楽しんでいたということで、本日は温泉を楽しもうと思っています。

災害があって以降、福島の地はいろいろと難しいことも多かったと思います。私が生まれ育った広島の地も、原爆で大きな被害を出しながら復興し、現在の繁栄を築いています。先ほど、光を増すほどに影が大きくなるということをおっしゃっていましたが、光が増えていけばその影も消えていき、自然とまた光あふれる、それまで以上に強い場所となり、繁栄するのだと思っています。私自身も、明日はよい対局を全国のファンに見ていただき、少しでもその力になれたらと思います。

A596 (渡辺明棋王)

皆さま、おばんでございます。私は福島県には何度も来ていまして、竜王戦の対局ですとか、プライベートの趣味の競馬ですとか、東京に住んでいますので近いですし、福島県は身近に感じている場所です。

竜王戦は、福島県では3回目か4回目だと思うんですけども、毎回山の幸や温泉などでリラックスして将棋を指すことができていまして、対局の結果も幸いしていることが多い……と思っているんですが、都合の悪いことは忘れているだけかもしれません(笑)。毎回よくしていただいて、地元の方には本当に感謝しております。

七番勝負の第4局というのは中盤の要所ですので、ここからは一局一局が非常に重たくなってきますので、よりいっそう集中したいと思っています。先ほど福島県支部連合会会長さまから名局賞をぜひという話がありましたが、福島県の竜王戦で名局賞をとったことがあったんじゃないかなと……すいません、これも記憶が曖昧なのですが。私にとっては縁のある場所ですので、熱戦、名局にして地元の将棋ファンの方々に喜んでいただきたいと思っています。

※第39回将棋大賞名局賞 2011年 第24期竜王戦七番勝負第4局 ▲丸山忠久九段-△渡辺明竜王 福島県福島市「吉川屋」 →棋譜はこちら

A309 (五阿弥宏安・福島民友新聞社代表取締役社長)

おばんでございます。本日は竜王戦七番勝負第4局、福島対局の前夜祭にお越しいただき本当にありがとうございます。主催者、共催者を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。

竜王戦は将棋の七大タイトルの中でも最高峰でして、本日ご出席いただいている島朗九段が初代竜王となってから、今年で第28期の開催となります。今回の竜王戦七番勝負は、昨年若手のホープとしてタイトルを獲得された糸谷哲郎竜王に、初代永世竜王の資格を持つ渡辺明棋王が挑む戦いです。この注目の戦いを、弊社の創刊120周年の記念事業として開催することができたのは、本当に光栄なことです。

福島市での竜王戦は2011年11月、4年前ですね、こちらの吉川屋さんで開催されました。皆さんも聞いたことがあると思いますが、この年、福島県は東日本大震災、福島第一原発の事故、本当に未曾有の事態でした。県民も福島の未来に大きな不安を抱えているときでした。そのような事態にもかかわらず、全国的に注目を集める竜王戦が県内で開催されたことは、復興、再生に向かう県民の大きな力となりました。震災から4年と8か月。着実に復興、再生の歩みは進んでいます。しかし風評被害は未だに根強いものがあります。光が強くなればなるほど、影もまた濃くなる、ということかもしれません。

そうした中、竜王戦がまたこの福島の地で開催されることは、私たち県民にとって励みになり、希望につながるものだと思います。復興に向かう福島の姿を、全国に発信できる素晴らしい機会であるとも考えます。対局するお二人には実力を遺憾なく発揮していただき、将棋界最高位タイトルを目指していただきたいと思います。最後になりましたが、竜王戦開催にあたりご尽力いただきました関係各位の皆さま、開催場所をご提供いただいた吉川屋さまに深い感謝を申し上げます。
(五阿弥社長)

A333 (武蔵正憲・日本将棋連盟福島県支部連合会会長)

おばんでございます。福島民友新聞創刊120周年、おめでとうございます。私ども日本将棋連盟福島県支部連合会は、読売新聞社さまに大変お世話になっております。感謝申し上げます。

全国の将棋ファンが注目するなかでの第4局、福島対局はまさに正念場であります。糸谷竜王、渡辺棋王、この一局には絶対勝ちたい将棋ではないかと思います。執念と執念がぶつかる最高の勝負、今年の将棋大賞名局賞に推されるような一局になるのではないかと、大いに期待を寄せています。私も一生の思い出にしたいと思います。

最後に、福島開催にご尽力いただいた読売新聞社さま、日本将棋連盟さまに感謝を申し上げるとともに、素晴らしい対局場を提供してくださった吉川屋さまに福島県の将棋ファンのひとりとして、心から御礼申し上げます。
(武蔵会長)

A339 (鈴木正晃・福島県副知事)

おばんでございます。今日は内堀雅雄知事に代わりまして、ごあいさつさせていただきます。糸谷竜王、渡辺棋王、ご来場の皆さま、ようこそ福島においでいただきました。心から歓迎をいたします。また主催の皆さま、関係各位の皆さま、福島県での開催にご尽力いただき、本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。

震災から4年と8か月が経過しました。この間、全国各地、世界各地の皆さまから、さまざまなご支援をいただいておりまして、ようやく福島県も復興、再生に向けて一歩ずつ歩み始めることができております。これもこれまでのご支援の賜物だと思い、深く感謝申し上げます。

震災後、特に感じることですが、文化、芸術、スポーツは、県民に癒しや力を与える原動力となっています。今回の竜王戦もそうしたひとつであり、棋界最高峰の棋戦として全国に発信できます。お二人の熱戦を間近で見て、県民も新たに復興に向けた力が湧いてくるのではないかと思います。私事ですが将棋が好きでして、小・中・高の頃はかなりやっていました。大山先生や升田先生、中原先生、米長先生が対局をしている頃のことでした。最高峰の方々に触れることで頑張ろうという気持ちになれますので、本当に感謝を申し上げたいと思います。
(鈴木副知事)

A407 (村西敬生・福島中央テレビ代表取締役社長が乾杯の音頭を取った)

検分は5分ほどで終了。問題は出ませんでした。
本局で使用される盤と駒は、福島県在住で書家の大久保岱影さんから提供されました。2組の駒が用意され、江陽作の棋州書が選ばれています。この盤駒は 第23期竜王戦第2局 や、第18期竜王戦第1局でも使用されました。当時は渡辺棋王が竜王でした。

A067 (16時50分、糸谷竜王が入室)

A071 (上座に着き、2組の駒を眺める)

A091 (16時58分、渡辺棋王が入室。検分が始まった)

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A165 (江陽作、棋州書)

A153 (盤駒は第23期以来、5年ぶりに使用される)

関係者一行は東京駅に集合。13時36分発の「やまびこ53号」に乗り、福島を目指しました。
駅からはバスで吉川屋に移動。現地到着後、17時から検分、18時から前夜祭が行われます。

A034 (糸谷竜王)

A006 (渡辺棋王)

A021 (中村修九段)

A023 (真田七段)

A057 (立会人と竜王)

A040 (観戦記者の大川さんと棋王)

A047

A003

A058 (15時16分、福島に到着。雨が降っていた)