2015年7月の記事

2015年7月10日 (金)

0710_58 18時10分、図の局面で渡辺棋王が16分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺3時間15分、△阿久津3時間33分(持ち時間は各5時間)。夕食注文は両者なし。対局は19時に再開します。


B137 (夕食休憩中の対局室に夕日が差し込む)

0710_52 飛車取りに後手が香を打った局面。(1)▲2五飛でも先手よしと思われましたが、渡辺棋王は(2)▲4四桂!と対応しました。終盤戦で見るような歩頭桂です。▲2五飛よりもさらに良さを求めた手でしょうか。遠山雄亮五段と日浦八段は「後手苦しい」と指摘。歩切れが痛そうです。


B133 (「▲4四桂はいかにも自信がありそうな手つきでしたね」と遠山五段)

0710_49 45手目▲4五桂から△1五角▲2五飛△4二角▲4六銀(図)と進みました。△1五角から△4二角は阿久津八段の工夫。手損の動きでも△2四香を厳しくしています。

対する▲4六銀は柔軟な手。少し前の記事で紹介した▲渡辺明-△木村戦と同じく、大駒の利きを通すための銀引きです。たとえば図で△2四香▲3五飛△3四歩は▲5三桂成△同角▲9五飛で先手の飛車は捕まりません。角だけでなく飛車の横利きも軽くしているのが▲4六銀のポイントです。


A234 (対局開始前の渡辺棋王。柔軟な駒繰りを見せた)

0710_45 ▲4五桂(図)と角取りに桂を跳ねた局面。一例として△4二角▲6六角△9四飛▲8五桂は先手優勢。9筋に並んだ後手の歩香飛が重い形です。阿久津八段は▲4五桂にどう切り返すのか。中継室では好手順が見つかっていません。


B061 (昼食休憩明けの阿久津八段。▲4五桂にどう対応するか)

0710_39_2 渡辺棋王は盤の中央に銀を進めました。△9九歩成を受けています。5五銀は安定した駒とは言えず、不安もありますが、後手の動きを封じることができれば歩得の先手がよくなりそうです。


18_43_2 上図を見て、第18期竜王戦七番勝負第2局、▲渡辺明竜王-△木村一基七段戦(段位・肩書きは当時)を思い出す方もいるかもしれません。その将棋は▲5五銀(参考図)が好手で先手優勢になりました。以下△7五歩▲3七桂△3五歩▲5六飛△3三桂に▲4六銀がやわらかい手で、先手の大駒と右桂が使える形になります。渡辺棋王にとって▲5五銀は印象のよい手と思われます。

※当時の棋譜はこちら


将棋会館から徒歩数分の場所に国立競技場がありました。現在は新競技場建設工事が進められています。建物はすでに撤去されていました。

【在りし日の競技場外観-YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
http://www.yomiuri.co.jp/photograph/sports/article.html?id=20140422-OYT1I50009

B122 (工事現場。競技場は影も形もない)

B126 (8番ゲート)

B127 (撤去前の案内図)

7月18日(土)に鳩森神社で盆踊り大会が開催されます。おなじみとなった東竜門ブース出店もあります。お近くの方はぜひ足をお運びください。

【せんだがや盆踊り大会2015、東竜門ブース出店のご案内】
http://www.shogi.or.jp/topics/event/2015/07/2015_9.html

B115 (今日の千駄ヶ谷は日差しが強い)

B100 (神社横の公園で子どもたちが遊んでいた)

0710_36 12時10分、図の局面で渡辺棋王が23分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺1時間6分、△阿久津44分(持ち時間は各5時間)。渡辺棋王の昼食注文はミックスフライ定食(ふじもと)。阿久津八段は注文なし。対局は13時に再開します。


B009_2 (昼食休憩中の特別対局室)

B012 (駒は久徳作、清安書)

B029 (阿久津八段は9筋から仕掛けた。△8五桂が実現すれば桂香交換は確実)

A321 (渡辺棋王は決勝T初戦の昼もミックスフライ定食を注文した=写真は当時)

0710_32 11時40分過ぎ、阿久津八段が9筋から動きました。同一局面はありません。△9六歩は類型でもめずらしく、非常に積極的な速攻です。実戦は図から▲9六同歩△9七歩▲同香△9三桂と進みました。

「△9三桂は次に△8五桂と跳ねる狙いだとは思いますが、果たして成功するかどうか。仮に▲3五歩△8五桂に▲7五歩と先手に飛車の横利きを通されると、すぐにはつぶれない感じがします」(日浦八段)


B007 (東京の対局立会人は日浦市郎八段。1組6期の実績を持つ)