2015年6月の記事

2015年6月29日 (月)

棋士室では継ぎ盤が2面設けられて検討が活発になってきました。

Kentou1 (左から平藤眞吾七段、糸谷哲郎竜王、星野良生四段。右端は畠山鎮七段)

Kentou2 (こちらでは村田顕弘五段が奨励会員と検討している)

Kentou3 (村田顕五段の継ぎ盤を見つめる長谷川優貴女流二段)

Ryuou201506290101_57夕食休憩が明けてすぐに稲葉七段は▲8六銀を着手しました。▲8六銀打と持ち駒を投資するのではなく、温存して盤上の駒を使う手です。対して畠山鎮七段は「(1)△8六同飛▲同歩△6六歩と(2)単に△6六歩を読んで、それで成算が持てなければ飛車を引くでしょうね」と解説してくれました。豊島七段は19分考えて△8三飛と引いています。

Inaba5 (稲葉七段は棋士室では検討に上がらなかった▲8六銀を着手)

Ryuou201506290101_56_2

18時10分になり、図の局面で稲葉七段が56分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲稲葉3時間26分、△豊島3時間15分。夕食の注文は稲葉七段がやまかけセット(やまがそば)、豊島七段はありませんでした。対局は19時に再開されます。

Yuu1

(同じ物を注文して撮影)

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図は豊島七段が△7六銀と打って攻めの継続を図ったところ。力技の銀打ちに思わず声を上げる棋士もいました。△7六銀までの消費時間は▲稲葉2時間30分、△豊島3時間15分。

Toyoshima5_2 (豊島七段は力技を駆使して攻め潰せるか)

47手目の局面から△5四歩▲4四歩△同歩▲5六歩△8四飛▲8五銀と進みました。なかなか予想しにくい手順だったようです。▲8五銀までの消費時間は▲稲葉2時間30分、△豊島2時間55分。

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Murata1(検討手順を披露した途端にことごとく別の手を指され、思わず笑いを止められなかった村田顕弘五段)

Inoue1

(モニターを見守る井上慶太九段は稲葉七段の師匠)

Ryuou201506290101_46上図は16時頃の局面。棋士室に来訪した糸谷哲郎竜王、山崎隆之八段らが口頭で検討してくれていました。糸谷竜王の第一声は「難しいですね」。▲2八角、▲3七角、▲5六歩、▲3五歩といった手が候補に挙げられ、稲葉七段の着手は▲3七角でした。△3三角には▲4四歩がピッタリなので、△5四歩だと見られています。

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(▲3七角までの消費時間は▲稲葉2時間26分、△豊島2時間31分)

Inaba4 (選択肢の多い局面で稲葉七段は▲3七角を選んだ)

昼過ぎの大阪は青空が出ています。気温は30度前後まで上がるとの予報です。

Sora1

(梅雨の晴れ間。日差しは真夏に近い)

ここでは目先を変えて、関西将棋会館から北西へ徒歩5分ほどにある上福島北公園の朝の様子をご紹介します。

Park1 (「しらかし」の木などがまとまって生えている)

Park2

(木陰はいかにも涼しげだ)

都会の中に広がるオアシス的な存在のようです。