2013年7月の記事

2013年7月19日 (金)

両対局が長考に入ったところで、この空いた時間を使って対局者の視点で東京・将棋会館の入口から対局室までの道を紹介してみたい。

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(東京・将棋会館エントランス。棋士も、一般の方と同じく正面玄関から入って対局室のある4階に向かう)

Dsc_0405(対局室のある4階エレベーターホール。エレベーターを降りて右側が、対局室のあるフロアだ)

Dsc_0406(対局室があるフロアの入口。正面ホワイトボードには、組み合わせが表示されている)

Dsc_0408(本局が行われている特別対局室は、入口から見て右奥側にある)

Dsc_0411_2(対局室通路。一番奥が特別対局室だ)

Dsc_0413(特別対局室の入口。東京・将棋会館の対局室では、最上位の部屋だ)

Dsc_0415(対局室入口の札ひとつからも、歴史を感じることが出来る)

Dsc_0404(特別対局室の光景。本日は、入口側で▲金井五段-△永瀬六段戦、奥側で▲羽生三冠-△森内名人戦が行われている)

Dsc_0437_3(永瀬六段は対局再開後、少し間を置いて集中を高めてから……)

Dsc_0439(△8七歩と着手した)

Dsc_0443_2(これを受けて、金井五段は腕組みのポーズ)

Dsc_0446(金井五段が腕組みをしたままジッと考えている中、横では羽生三冠が体をゆっくり前後に揺らしながら考えている。静と動、棋士によって考えるスタイルも様々だ)

36(再開後、15分程で△8七歩▲9七角△7六飛と進んだのが【図】の局面。後手は次に△7七角成▲同金△同飛成の突破を狙っているが、先手も▲3三飛成とバッサリ切って△同桂▲8七金と飛車を狙って動いていく筋がある)

Dsc_0448_2(金井五段の腕組みポーズに呼応するかのように、永瀬六段も)

Dsc_0441(13時の対局再開時、森内名人は朝の対局開始時とは違い上着を脱いでいた。また、再開前には横で行われている永瀬六段-金井五段戦の盤面に目をやっていた)

Dsc_0444_2(羽生三冠も、上着を脱いで戦闘モードといった様相)

Dsc_0445(羽生三冠は、再開から5分程時間を使ってから▲1八香と着手した)

45再開後、いったんは▲1八香と仕掛けずに待った羽生三冠ですが、森内名人が△1一玉と穴熊に潜ったところで▲4五歩と仕掛けました。 後手が後戻りできないような状態になってから仕掛けるというのが羽生三冠の工夫のようだ。

Photo▲羽生三冠-△森内名人戦戦は、お互いの駒組みが飽和状態を迎えたところで後手の森内名人が△1二香と穴熊を目指したのに対して、羽生三冠が25分考えて昼食休憩の時間になりました。

Dsc_0421(後手側から見た実際の盤面。多くの前例では、後手が穴熊に入ることを阻止するべく先手がここで仕掛けている。やはり、穴熊の堅さは簡単には許せない)

Dsc_0425(昼食の出前注文、羽生三冠は冷やし中華を注文した)

33【図】(33手目▲7五歩まで)の局面で永瀬六段が39分考え、昼食休憩の時間になりました。

Dsc_0430(本日、東京・将棋会館で行われる対局の立会人を務める関浩六段)

関六段「(現状の局面について)現状、先手の角は働いていないですが▲6五桂と跳ねれば一気に激しくなってきます。いや、どうなってるんだろうな……。とりあえず、午後は長考合戦になるでしょうね」

Dsc_0429(永瀬六段は、昼食の出前注文で親子重を注文)

10▲羽生善治三冠-△森内俊之名人戦は、角換わりに進みました。

お互い角を手持ちにする戦型、序盤は角の打ち込みや相手の速攻などを許さぬよう細心の注意を払いながら駒組みを進めていきます。

Dsc_0360(1組3位での本戦出場、羽生三冠)

Dsc_0376(1組2位での本戦出場、森内名人)

3811時頃の局面。先手は▲6六歩をギリギリまで保留したまま進めているのが工夫点でしょうか。先に進めていくうちに合流する可能性もありますが、既に前例のない局面になっています。

19振り飛車のイメージが強い永瀬六段ですが、最近は積極的に居飛車も採用しており、本局も4手目に△8四歩と居飛車を選択しました。

そこから本譜は横歩取りの戦型になり、金井五段は▲3六歩(19手目)と『青野流』と呼ばれる指し方を選択しています。その名前から想像できる通り、青野照市九段が得意にしていた手法で、▲3六飛と引くよりも攻撃を重視した意味合いがあります。

Dsc_0306(6組優勝で本戦出場を決めた金井五段。鋭い視線の先には……)

Dsc_0322(上座に座るのは、4組優勝で本戦出場を決めた永瀬六段。)

Dsc_0307(横の森内名人が目を閉じたまま集中を高めていたのとは対照的に、金井五段はしっかりと将棋盤を見据えて集中を高めていた)

Dsc_0320(永瀬六段が到着すると、すぐに対局の準備が始まった。永瀬六段は、駒音をたてないよう静かに駒を取りだした)

Dsc_0338(永瀬六段-金井五段戦は、「特別対局室」の入り口側で行われる)

Dsc_0340(振り駒が行われる時の光景。まだ羽生三冠は対局室に到着しておらず、横で対局を行う森内名人も視線を送っていた)

Dsc_0354(まだ若手といえる年齢だが、堂々とした雰囲気の永瀬六段)

Dsc_0356(対局開始前からお互いに厳しい表情。対局室は、朝からピリピリとした空気が流れている)

Dsc_0393(先手・金井五段の初手は▲7六歩。最序盤の注目ポイントは、最近は居飛車も指す永瀬六段がどのような作戦をとってくるかだ)

Dsc_0401(4手目△8四歩と、永瀬六段は居飛車を明示。本譜は、ここから横歩取りの戦型に進んだ)

Dsc_0302(森内名人-羽生三冠戦と、永瀬六段-金井五段戦は、東京・将棋会館「特別対局室」にて行われる。一番早く対局室に到着したのは、森内名人だった)

Mori(横で永瀬六段-金井五段戦の対局準備が始まると、森内名人は瞑想に入り集中を高めていた)

Dsc_0358(程なく羽生三冠が対局室に到着。すぐに、対局の準備が始まった)

Dsc_0380(森内名人の表情は、朝から険しいようにも感じられた)

Dsc_0386(先手・羽生三冠の初手は▲7六歩。角道を開けた)

Dsc_0389(後手・森内名人は△8四歩と飛車先の歩を伸ばした)

Dsc_0298 (朝の将棋会館)

Dsc_0299(将棋会館エントランス。対局者も、ここを通って対局室に向かう)


おはようございます。

本日7月19日(金曜)の竜王戦中継は、決勝トーナメントより森内俊之名人-羽生善治三冠戦と、永瀬拓矢六段-金井恒太五段戦をお届け致します。

森内名人-羽生三冠戦は、勝者が挑戦者決定三番勝負への進出を決める大一番。
永瀬六段-金井五段戦は、永瀬六段にとってこれがタイトル挑戦を目指す上での初戦となります。

本日の中継は森内名人-羽生三冠戦を牛蒡記者、永瀬六段-金井五段戦を吟記者、中継ブログを梅が担当いたします。 1日、どうぞ宜しく致します。

Kesshou