2012年11月の記事

2012年11月 8日 (木)

Ryuou201211080101_41_2図の41手目▲6六歩の局面で渡辺竜王が46分使って昼食休憩に入りました。消費時間は丸山1時間45分、渡辺1時間20分。歩がぶつかった指し手の岐路での休憩入りです。

Ryuou201211080101_4141手目▲6六歩の局面を大盤解説を担当する佐藤天彦七段に聞きました。
「▲6六歩は大胆です。すぐには収まらないのではないでしょうか。△同歩に▲6八飛△6二飛▲6六銀は自然ですね。ただ、先手はどれだけうれしいのか。後手は一番いい形で待ち構えていますし。
少し前の▲8八玉(33手目)が珍しいです。次の△6五歩は当初から意図していたものではなかったと思います。丸山九段が▲6六歩と突けば、第1局と同じ展開が予想されました。▲4八飛(35手目)も早く、丸山九段はいつもこのあたりで工夫されていますね。▲5九金(39手目)は▲6八飛~▲4八金なのかなと考えていました。竜王も意外だったと思います。研究から外れた展開でしょう。とはいえ、先手からあまりこう指さないので意欲的です」

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▲6六歩といきなり仕掛けた丸山九段。周到に準備してきたに違いない一着だ。
控室の佐藤(天)七段は「大胆な一手ですね」と話している。

【ニコニコ生放送 富岡英作八段】
ホントに突いたんですか? かなり驚きました。飛車を回ってから▲6六歩と突くほうが普通ですが、先に突いて△6六同歩の手を限定させたのですね。このあとは△6六同歩▲6八飛△6二飛▲6六銀と進むと思いますが、先手陣がバラバラで怖いですね。

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(6筋から駒をぶつけていった丸山九段。午前中から趣向を見せた)

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(いたる所で湯煙が立ち上っており硫黄の匂いがする)

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(霧島国際ホテルの泉質は単純硫化水素。適応症は胃腸病・神経痛・皮膚病・リウマチ・切傷・糖尿病・動脈硬化)

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Ryuou201211080101_34微妙な駆け引きがありましたが、渡辺竜王が△6五歩と位を取りました。前期の七番勝負第4局と似た将棋に進みそうです。現局面について加藤九段に話を聞きました。
加藤九段「最近並べた棋譜では▲中村太地六段-△羽生善治三冠の第83期棋聖戦第2局でこの形になりましたね。この形は後手が待つ将棋で7筋の歩を突きません。△7四歩と突いて矢倉に組むと▲6四角や▲4一角を狙われてしまうんです。以前私はJT杯の谷川さん(浩司九段)との対局で、△6四角・△5四銀型で▲4一角△7二飛▲6五銀(参考図)という手順を食って負けたことがあります。
先手がどう攻めの形を作るか。棋聖戦では▲3七桂~▲4七金~▲6八飛~▲4八金~▲6九飛のような手順で組み替えましたが、羽生さんが勝たれましたね」
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