微妙な駆け引きがありましたが、渡辺竜王が△6五歩と位を取りました。前期の七番勝負第4局と似た将棋に進みそうです。現局面について加藤九段に話を聞きました。
加藤九段「最近並べた棋譜では▲中村太地六段-△羽生善治三冠の第83期棋聖戦第2局でこの形になりましたね。この形は後手が待つ将棋で7筋の歩を突きません。△7四歩と突いて矢倉に組むと▲6四角や▲4一角を狙われてしまうんです。以前私はJT杯の谷川さん(浩司九段)との対局で、△6四角・△5四銀型で▲4一角△7二飛▲6五銀(参考図)という手順を食って負けたことがあります。
先手がどう攻めの形を作るか。棋聖戦では▲3七桂~▲4七金~▲6八飛~▲4八金~▲6九飛のような手順で組み替えましたが、羽生さんが勝たれましたね」
2012年11月 8日 (木)