2012年8月の記事

2012年8月16日 (木)

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△5四歩に丸山九段は▲6六銀引と下がりましたが、▲6四銀とは出られなかったのでしょうか。
▲6四銀に△同飛は▲8六角の筋があるので、銀を出る手も有力に見えました。
なぜ銀を引いたのか。その理由について検討陣は以下のように推測しています。

【33手目の棋譜コメントより抜粋】
▲6四銀なら「△5二玉でしょうか」と吉田四段。以下▲6三角に△同飛▲同銀成△同玉▲4一飛△5二玉▲2一飛成△2二銀(参考図)といった順で飛車を捕獲できるという。△5二玉に▲7五銀と逃げられないようにしたのが30手目△7四歩の意味だったようだ。

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(17時ごろの控室)

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S37


瀬川五段 「山崎さんは少し失敗したと思っているかもしれません。20手目△4二飛から▲3七桂△6二飛で先手の攻めが難しいという判断だったと思いますが、現局面は先手に▲4六歩~▲4五歩の狙いが生じています」
高野六段 「先手に桂を跳ねさせて、それで4筋から攻められては後手がおかしいね」
瀬川五段 「このまま先手が攻める展開になると、先手の手得が大きいと思います」
高野六段 「後手は(図から)▲4六歩に△7五歩▲同歩△5四歩▲6六銀引△6五歩▲5七銀(参考図)と引かせる狙いかな。いや、これは緊急手段ですか。やりませんね」

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(30手目△7四歩は1時間17分の考慮。予定変更があったのかもしれない)

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(瀬川晶司五段が来訪。本局の進行を初手から確認している)

※瀬川五段は2012年8月13日(月)、棋聖戦一次予選で近藤正和六段に勝ち、四段昇段後公式戦100勝を達成。五段に昇段しました。

29丸山九段は▲4八金(図)と上がって▲4六歩~▲4五歩の攻めを目指しています。後手はどう備えるのが最善でしょうか。

最初に検討されたのは△5二金。以下(1)▲4六歩△6五歩▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀左は後手が受け切れそうです。

気になるのは△5二金に(2)▲4六歩△6五歩▲6八金。そこで△5四歩は▲6四銀(参考図)と出る手があります。


S35左図で△6四同飛は▲8六角の間接王手飛車があります。△3一玉には▲5三角(!)の強襲もあるかもしれません。

この王手飛車取りのラインをきらうのであれば、上図で△4一玉や△5二玉も考えられます。


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(山崎七段)

28先手は▲5五銀と銀をぶつけましたが、後手は△4三銀と引きました。後手は戦いを起こす必要がありません。それよりも△3一玉や△5二金など、陣形を整備する手を指したい。囲いの進展性は後手に分があります。

このような駒組みができるのも24手目△6二飛の効果です。「△6二飛ねえ、頭が柔らかいなあ」と高野六段も感心していました。


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(高野六段は後手を持って継ぎ盤を動かしている)
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(金銀を引き寄せた後手陣を見て「美しい」と高野六段)

26昼食休憩から▲7八玉△4二玉と進みました。図の局面で丸山九段が長考しています。後手は無理に動く必要はないので、▲1六歩も△1四歩と受ける姿勢と思われます。先手はどこから開戦するのか。難しい序盤戦です。



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(14時過ぎ、天井カメラの映像)