中村太地四段、来訪 17時10分頃、中村太地四段が控え室を訪れた。中村四段は今期竜王戦で6組優勝を果たし、決勝トーナメントに出場している。中村四段はモニタで対局室の様子を見たり、継ぎ盤で駒を触った後、「失礼します」と去っていった。 両対局者の夕食注文は、久保二冠が「親子丼(上)」、羽生名人が「うな重(梅)、肝吸」。 (文)
羽生名人、決断の角打ち 16時50分頃、羽生名人は先手陣深くに角を打ち込んだ。閉じ込められているようだが、先手は5八と3八の金が動くと大駒が取られてしまうので、すぐにこの角を取りきってしまえるわけではない。ただし羽生名人としても、△4九角は金と刺し違える可能性が高い(駒損になる)ため、決断を要する一手だ。先手は▲5九歩と受ける一手。これから両者の角がどのように働くのか注目だ。 (文)
久保二冠、戦線に角を投入 図は16時25分頃の局面。久保二冠は、▲4五角(39手目)と打った角を3六に引いた。▲2六飛と応援に回る筋を見せて▲7八角や▲6七角と左側に引くのではないかと見られていたが、久保二冠は角のラインを逆方向に残した。次の単純な狙いとしては▲6四歩△同銀▲7二角成△同飛▲6三金(参考図)があるが、それだけの狙いなら後手も受けやすい。 (文)
「馬作らせていいんですかね」 15時25分頃、宮田敦史五段が控え室を訪れた。棋譜用紙を手に、黙々と棋譜を並べていく。現在の局面まで並べ終え、見解を伺うと「いやー……」と深いため息のような声。「こんなふうに馬作らせていいんですかね」と首を傾げる。形勢については、先手側を持って「ぼくじゃあ攻めきれる自信ないです」。宮田五段自身は居飛車持ちのようだ。 (宮田五段。黙々と棋譜を並べる) (文)
15時20分頃の対局室 カメラによる、15時20分頃の対局室の様子。現在は久保二冠の手番。久保二冠は脇息を引き寄せ、前屈みになって考えている。羽生名人はあぐらを組み、あごに手をやって盤上を見つめている。 (文)
「まだまだこれからですね」 14時45分頃、控え室を瀬川晶司四段が訪れた。「昼食休憩までは見たんですが、すごいですね」と、ここまでの棋譜を並べ始める。そして「居飛車の主張が通っている気がします。2七の歩が駒台に載ってる計算ですからね」とコメント。「どちらかというと居飛車持ちです」とも。「いや、でも久保さんですから。まだまだこれからですね」。 (瀬川四段。棋譜用紙を手に、棋譜を並べていく) (文)
今日の千駄ヶ谷 建物の外に出ると、むっとした熱気がアスファルトから立ち昇る。空気は息を吸うのも嫌になるくらい温められている。「午後からは徐々に曇ってくる」という予報だが、14時30分すぎ現在、じっとしているだけで汗が噴き出てくるほど暑い。 (文)
「負けても居飛車持ちです」 木村一基八段が控え室を来訪。「あれ、誰もいないか……」とつぶやきつつ、ふらふらと継ぎ盤の方へ。再開後の手順を並べながら、「これは居飛車がいいでしょう。負けても居飛車持ちですよ」と一言。「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村八段は、受けの達人。14時現在の局面は木村八段にとってまさに垂涎もの、といったところだろうか。この後の指し手をしばらく考えて、「夕方にまた来ます」と颯爽と去っていった。 (中腰で継ぎ盤に向かう木村八段) (文)
「驚いた。すごい発想だね」 別棋戦を対局中の勝又清和六段が控え室を訪れた。モニタを見ながら、「こりゃ驚いた。すごい発想だね。これは久保さんしか指せないよ」と継ぎ盤に向かう。駒を動かしつつ、「こうしてみると後手もやりづらいか。この馬はすぐ消えちゃう可能性もあるしね」。 (継ぎ盤で検討する勝又六段) (文)