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五番勝負第1局は藤井棋聖が勝ちました。終局は18時56分。消費時間は▲藤井棋聖3時間49分、△佐々木七段3時間59分。海外対局を制した藤井棋聖の先勝です。
(文)
1図は△3八飛成▲同銀△6七金以下の詰めろがかかっていたため、▲3六歩が予想されていました。しかし、藤井九段が選んだのは▲5二と△同銀▲同金△同玉▲6七銀(2図)。△6七金だけは絶対に打たせないという順ですが、攻め駒2枚を盤上から失うので意外です。先手を取る受けでもありません。「受けて勝とうということですが、これは浮かびません」と小林健二九段。
(牛蒡)
△5七歩成▲同歩△4五角で図の局面。▲5七同歩の考慮時間は37分、図も局面でも藤井棋聖は手を止めています。形勢がよくなってからのほうが時間をかけています。実に慎重です。「ここまできたら逃したくない。しっかり勝ちたいということですね。佐々木さんも正確にやられたら勝てないと思っているはずです」と小林健九段。
(18時5分、沈む夕日)(牛蒡)
佐々木七段は80手目に△3五飛を選択。藤井棋聖はすぐに▲5八歩を指し、そこで佐々木七段がまた考えています。思わしい手がありません。「△3五飛で差が開いたと思います。でも苦しんで指したから仕方ない」と鈴木九段。一方、藤井棋聖は67手目▲6七金で1時間超えの長考をして以降、あまり時間を使わずに指しています。読み筋通りに進んでいるのだと思われます。形勢は先手よしです。
(気づけば藤井棋聖がよくなっていた)(牛蒡)
79手目▲7八玉の局面で、佐々木七段は40分以上考え、残り30分を切りました。深浦九段は「いい寄せが見えなくて苦しんでいる」とABEMAで解説。先手ペースと話しています。
次に▲5八歩が入ると先手陣はしっかりします。後手は攻めていきたいのですが、図から△5七角▲7八玉△7六歩▲同銀△6六角成▲7七歩△5七歩成▲5二金△3三玉▲5三とは先手が勝ちそうです。「容易に崩れないのが持ち味」と自他ともに認める佐々木七段。少し苦しい局面こそ真価を問われます。
時刻は16時を過ぎました。形勢はまだはっきりしません。図から△5五飛▲5八歩△4五角が調べられていますが、木村九段は「難しいんだねえ」とうなっています。ただ、佐々木七段は図で時間を使い、残り1時間を切りました。藤井棋聖は残り1時間35分。時間に差がついてきました。
15時になり、午後のおやつが出ました。藤井棋聖 バンヤロン、パイナップルジュース佐々木七段 チェー、アイスブラックコーヒー午前に藤井棋聖が頼んだチェーは「フルーツと豆のベトナム風ぜんざい」でしたが、今回の佐々木七段が頼んだチェーは「バナナとココナッツのベトナム風ぜんざい」です。名前は同じチェーでも種類はいくつもあるようです。
(藤井棋聖のおやつ)
(佐々木七段のおやつ)(牛蒡)