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2022年7月

2022年7月18日 (月)

記者会見

感想戦終了後、20時30分から記者会見が行われました。

Fujii16

―3連覇達成の率直な感想を
藤井 対局が終わったばかりなので、それについてはまだ実感がないのですが、今回、永瀬王座を挑戦者に迎えての番勝負で厳しい戦いになるかと思っていたので、その中で結果を出せたのはうれしく思います。

―10代のうちにタイトル獲得9期となり、上位はすべて永世称号を持っている中で歴代9番目となったことについて
藤井 (長考)いまの段階で意識するわけではないのですが、積み重ねていった先にそういうものが見えてくるのかなあと思います。今後はより精進して、そういうところを目指していけたらと思っています。

Fujii18(15秒を超える長考もしばしば見られた。慎重に言葉を選ぶ)

―長年の研究パートナーの永瀬王座と初めてタイトル戦を戦った感想と得られたものは
藤井 本シリーズを振り返ると第1局は完敗で、第2局も早い段階でこちらが苦しくしてしまったという将棋だったので、まずは序盤の精度を上げなくてはいけないのかなと感じました。(長考)あとは第1局で2回千日手になって、自分にとっては初めてのことだったのですが、普段の対局以上に体力が求められるような展開になったと思います。そういったところも、もっと向上させなくてはいけないのかなと感じました。

―第2局までの厳しい戦いのあと、その反省をどのように生かせたか
藤井 第1、2局では作戦の面で差をつけられてしまったように思ったので、第3局からはより入念に準備が必要かと思って臨みました。

―本局、22手目△2三歩は事前の研究か
藤井 あの局面に進めば△2三歩は指そうと思っていたのですが、そのあと▲3五歩(25手目)の局面で方針が分からなくなってしまったので、局面に対する理解がもっと必要だったかと感じています。Fujii22

―タイトル戦が続いてまとまった研究時間を取りづらいが、対策は
藤井 対局が少なかった時期に序盤について考え直したところもあります。ただ、そういう定跡よりも局面の理解が重要だと思うので、そういうところはよりしっかりしていきたいと思っています。

―地元愛知県でタイトル3連覇を決めたことについて
藤井 地元名古屋の万松寺様で対局場を用意していただいて、以前、見学には伺ったことはあったのですが、今回は対局で訪れることができてうれしく思いました。また、大盤解説会も今回開催していただいて、地元の方に多く対局を見ていただいた中で、こういった結果を出せたことはうれしく思っています。

―師匠からサプライズのケーキは初めてか
藤井 えーと? そうですね、師匠からケーキをいただいたのは初めてだと思います。師匠からは毎年お正月にお年玉をいただいていたのですが、多分、次からはないと思うので、その代わりに今回ケーキをいただいたのかなと思っています。

Fujii20_2

―20歳を迎えるに当たって新しくチャレンジしたいことは
藤井 いまは対局が続いているので、何か始めてみたいことはあまりないのです。20代になるに当たり、実力を高めていくために今後の数年は非常に大事な時期になってくると思うので、そういう意識を常に持って取り組んでいきたいと思っています。

―デビューから6年弱、ここまで重ねてきた実績をどのように感じているか
藤井 (長考)タイトル戦に初めて挑戦したのが2年前のこの棋聖戦ですが、それ以降もタイトル戦の機会を多く作ることができたのはよかったかと思っています。ただ、これからも実績よりは実力を高めていくことが大事だと思っているので、しっかり意識して取り組んでいけたらと思っています。

―10代最後のメッセージを
藤井 対局を見ていただき、ありがとうございました。今日も難しい将棋だったのですが、何とか防衛という結果を出すことができてうれしく思っています。明後日から20歳となりますが、対局は変わらず続くので、次の対局にもしっかりいい状態で臨めればと思っています。引き続き、よろしくお願いいたします。

Fujii23 以上で第93期ヒューリック杯棋聖戦の中継を終了いたします。ご観戦いただきましてありがとうございました。すでに第94期の一次予選も進行しています。また来期の五番勝負までの熱戦もお楽しみに。

(飛龍)

記者会見前イベント

対局2日後の7月19日(火)は藤井棋聖の20歳の誕生日になります。Kaiken01(記者会見を前に花束が贈呈された)

Kaiken03(記念撮影はマスクを外して。指で3連覇を表現)

Kaiken05 (サプライズで師匠の杉本昌隆八段からバースデーケーキが贈られた)

Kaiken07(師弟で記念撮影)

(飛龍)

2022年7月17日 (日)

感想戦

Fujii11

Nagase11

Fin03

Fin04

Fin05

Fujii12

Nagase12

Fin06

Fin07

感想戦終了後、タイトル防衛の記者会見が行われます。

(飛龍)

両対局者、白龍ホールに

終局後、インタビューに応じた両対局者は大盤解説会場のうちの1つ、白龍ホールで挨拶に立ちました。

Ooban30 (両対局者登壇。香川女流四段の進行に合わせて質問に答えていた)

Fujii10 (3連覇を達成した藤井棋聖)

Nagase10(敗れた永瀬王座は39手目▲9七桂を気にしていた)

大盤解説会場のお客さんの前に数分だけ姿を現すと、対局室に戻っていきました。感想戦が行われます。

(飛龍)

終局直後

Fujii08(防衛を決めた藤井棋聖は厳しい表情をしていた)

Nagase08 (永瀬王座はタイトル奪取ならなかった)

Fin01(すぐにインタビューが始まった)

―本局を振り返って
藤井 序盤から前例の少ない展開になったのですが、こちらがこの形にするとまとめ方が難しいのかなと思ってやっていました。そのあと、飛車交換(55手目▲8六同歩)で終盤に入ったのですが、こちらの玉が薄い形が続いたので、形勢が分からないまま指している局面が多かったと思います。

Fujii14 ―終盤で手応えを感じたのは
藤井 △3六銀(86手目)と出たところで、こちらの玉が寄らなければと思いました。

Nagase14

―本局を振り返って
永瀬 ▲9七桂(39手目)がやりすぎだったかもしれないので、▲9三桂成(45手目)のところはさらに被害を拡大してしまったかもしれません。早い段階でかなり厳しくなってしまったような気がします。

―一般的に攻めに使う右桂でなく、▲9七桂と左桂を活用した
永瀬 考えていて違和感はなかったのですが……。ただ、△4五銀(40手目)から自然に押さえ込みにこられたときに、こちらがどのくらい駒をぶつけていけるかだと思ったのですが、それが少し難しかったので、▲9七桂が無理だったかもしれません。

Fujii15

―今シリーズを総括して
藤井 第1、2局とかなり苦しい展開が続いて、厳しいシリーズだったかと思います。

―10代最後の公式戦勝利だった。棋聖3連覇を含めて感想を
藤井 結果が出せたのはよかったのですが、やっぱり厳しい戦いだったと思うので、そこはしっかり振り返らなくてはいけないなと思います。

Nagase15

―今シリーズの総括を
永瀬 先手番で1勝もすることができなかったので、それが課題なのかと思いました。本局だと途中でかなり厳しくなってしまったので、もう少し勝機の残る形にしないといけなかったかと思います。

―棋聖は2度目の挑戦失敗だった
永瀬 お相手が違うのでアレですが、結果が出せなくて残念だなと思います。

(飛龍)

藤井棋聖が勝って防衛を決める

Kisei202207170101104

104手まで、藤井聡太棋聖が永瀬拓矢王座を下しました。終局時刻は18時30分。消費時間は、▲永瀬3時間52分、△藤井聡3時間41分。この結果、第93ヒューリック杯棋聖戦五番勝負は3勝1敗で藤井棋聖が防衛しました。棋聖位の獲得は3期連続3回目、通算タイトル獲得数は9期。

(八雲)

後手勝勢

Kisei202207170101_81永瀬王座は王手で後手玉を上に追い出し、上図▲6六歩と手を戻して▲6五金までの詰めろをかけました。対して藤井棋聖は△6七金▲4八玉△6八竜と王手を決め、▲3九玉に△3六銀と出て自玉を安全にしています。藤井棋聖の防衛が近づいてきました。

Kisei202207170101_86

先手は▲4六歩と再び▲6五金までの詰めろをかけても、△6六金があり、ほかに△5五玉(変化図)で後手玉は5四~4三と逃げていくルートができるうえ、△4七桂▲2八玉△2七銀打までの詰めろがかかってしまいます。

20220717_88Hikae06(終盤戦の両者。控室のモニターより)

(飛龍)

寄せ合い

Kisei202207170101_67上図は銀を8八から引いて金取りを受けたところ。(1)△9八飛が自然に見えますが、▲7五歩△7八角成に▲9九歩(変化図)と打たれると容易ではありません。藤井棋聖は先に(2)△7八角成と切り、▲同銀に△9八飛と攻めています。▲5一角が生じるだけに怖そうですが、現状は▲5一角に△3一玉でも△5二玉でも詰みはありません。

20220717_71Kisei202207170101_70

Nagase07(朝、対局開始を待つ永瀬王座。銀取りを受けるか、強く▲7五歩か)

(飛龍)

揮毫

Kigou01(色紙がズラリ。大盤解説会の次の一手の賞品になった)

Kigou07(昨日の揮毫前。駒型の色紙が出番を待つ)

Kigou02 (山口仁女流2級)

Kigou03 (サラサラと筆を運ぶ)

Kigou04 (香川女流四段と山口稀女流1級も横並びで揮毫)

Kigou05 (山口稀女流1級は力強い筆致)

Kigou06(でき上がった数々の色紙)

(飛龍)

棋聖の踏み込み

20220717_53上図はスカスカの後手陣に目をつけて飛車をぶつけたところ。先手陣は飛車の打ち込みに強く、自然な一手にも見えますが、藤井棋聖は△8六同飛と交換に応じました。以下、▲8六同歩△8七歩▲7一飛△4二玉。シンプルに角を狙い、▲7一飛の王手にもどこ吹く風と玉を4二にかわしました。高見七段は銀が4三から動けば、後手玉はグッと安定すると解説しています。

20220717_58Fujii07(朝の藤井棋聖。本局は次々にこれまでにない価値観を突きつける)

(飛龍)

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