カテゴリ

第82期棋聖戦挑戦者決定戦

2011年4月28日 (木)

五番勝負は6月11日に開幕

Twitter解説
遠山雄亮 > 大熱戦でしたが、深浦九段の△7九金(86手目)が勝ちを決めた一手で印象的でした。解説の棋士の皆さま、お疲れさまでした。最後に簡単に一言、感想をお願いいたします。
西尾明 > 私は負けた佐藤六段の▲8四桂(75手目)が印象に残りました。あの一手でかなり際どい勝負になったと思います。お互いの勝負術を駆使した好局でした。
大石直嗣 > 本局では深浦九段の積極的な指し回しと佐藤天六段の力強い指し回しなど印象に残りました。終盤は熱戦で難解でしたが△7九金(86手目)が決め手だったように見えました。観戦ありがとうございました。
瀬川晶司 > 序中盤からのわずかのリードを深浦九段が守りきったという印象です。佐藤(天)六段の▲8四桂(75手目)も鋭い踏み込みでしたが、対する△5六歩(76手目)がそれを上回る素晴らしい手だったと思います。ご覧いただきありがとうございました。

■五番勝負日程
第1局 6月11日(土) 千葉県柏市「旧吉田家住宅」
第2局 6月25日(土) 愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」
第3局 7月2日(土) 熊本県熊本市「古今伝授の間」

198
(本日はご観戦いただき、ありがとうございました)

(文)

感想戦 (2)

191

185

162
(深浦九段の顔から笑みがこぼれる。挑戦者決定戦を制し、2期連続で羽生棋聖に挑む)

(文)

感想戦 (1)

152

159

158

166

178

(文)

インタビュー

146
―― 一局を振り返っていかがだったでしょうか。
深浦 中盤の戦いはまずまずかなと思っていたのですが……。
―― 勝ちを意識した瞬間は。
深浦 最後の△7六桂(94手目)くらいですね。桂馬が詰めろなので残しているかなと。
―― 前期に続いての挑戦ですが。
深浦 去年が3連敗でひどかったので……今回また挑戦の場を与えられたので、去年の反省を踏まえてがんばりたいと思います。

149
―― 一局を振り返っていかがだったでしょうか。
佐藤 最後△7九金(86手目)と打たれて銀抜かれたところは悪いと思いました。▲7五金(81手目)の辺りはよくわからなかったです。
―― これまでの棋聖戦を振り返った感想は。
佐藤 できすぎというか、望外というか。思った以上に勝てたという感じです。また、がんばります。

(文)

終局直後

140

136

138

(文)

深浦康市九段、2期連続の挑戦へ

20110428106zu

19時55分、106手まで、深浦康市九段の勝ちとなりました。深浦九段は2期連続の五番勝負挑戦となります。

終局近し

20110428_99
図は19時40分過ぎの局面。「形作りだね」と継ぎ盤の近くから声が聞こえる。

133
(控室には北浜健介七段(左)が姿を見せている)

(文)

後手優勢

20110428_86
図は19時20分頃の局面。深浦九段が△7九金と鋭い一手を放ったところだ。▲同玉に△5七馬から7五の銀を抜く狙いがある。

Twitter解説
瀬川晶司 > △4六飛ではなく△7九金でした。▲同玉なら△5七馬から7五の銀を抜く狙いです。後手に有望な変化が多くなってきたように思います。
西尾明 > なるほど。△7九金でスピードアップですね。▲同玉△4六飛以下7五の銀を抜こうとしています。
遠山雄亮 > △7九金は素晴らしい手ですね。▲同玉△5七馬も▲9八玉△7八金の展開もどちらも後手が優勢と思います。深浦九段、さすがの一着です。

20110428_191749
(19時15分頃の対局室。佐藤天六段が頭を抱える)

132
(「後手優勢」の結論を出した検討陣。いよいよはっきりしてきたようだ)

(文)

「どちらかが倒れてますね」

20110428_78
図は18時50分頃の局面。深浦九段が△5七歩成と攻め込んだところだ。たくさんの駒が当たりになり、にわかに局面の流れが激しくなった。「これは一直線になるよ」と飯塚七段。ここから佐藤天六段はノータイムで▲6六金。以下△5六と▲7五金△同銀▲同銀△6七角成と進んだ。

20110428_84
「これはどちらかが倒れてますね」と真田七段。際どい最終盤を迎えている。

20110428_190020
(深浦九段の考慮中。残り時間を示す用紙から、数字が消されていく)

(文)

勝負手、▲8四桂

20110428_75
図は18時35分頃の局面。佐藤天六段が▲8四桂と要の金を攻めにいったところだ。この手に対し、深浦九段は長考に沈んでいる。直接手だが、「手強いと思っているでしょう」と真田七段。「そうでなければ、こんなに考えませんよ」。

Twitter解説
飯塚祐紀 > ▲4五金の流れから見て ▲8四歩かと思いました。 ▲8四桂は勝負手ですね。
瀬川晶司 > ▲8四桂でした。歩では遅いとみたのでしょう。△6二金にはどう攻めるのでしょうか。
西尾明 > 確かに△6二金に何を指していいか分かりません。ようやく先手が不利な気がしてきました(笑)
西尾明 > △6二金▲7二歩に△6一金と引いても、後手が少し余せそうな気がします。
中村太地 > △6二金▲7二歩は後手玉も狭くなるので実戦的に嫌な感じもありますね。端もからめられると余すのも相当大変な気がします。
遠山雄亮 > △6二金▲7二歩は嫌ですね。そこから△8三銀▲3五金△8四銀と桂を外す感じでしょうか。
西尾明 > △8三銀の瞬間に▲8五飛と走る手もあるのでは?>遠山氏

解説陣は「後手が余せそう」との意見。しかし文面を見るに、この▲8四桂が相当に手強いことは間違いなさそうだ。

(文)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===