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第86期棋聖戦五番勝負第4局

2015年7月16日 (木)

一夜明けて(インタビュー)

羽生棋聖のインタビューです。当日朝は雨でした。

―― 防衛して一夜明けましたが、いまのお気持ちは。
終わって、ほっと一息ついているところです。

―― 今期の豊島七段の印象は。
今回は結構じっくりした指し方でこられている印象でした。前回、王座戦のときとは変えているのかなと。

―― 一日目の朝は、外を散歩されたそうですね。
ああ、そうですね。そんなに暑くなかったので。

―― 奥様にはもう連絡されましたか。
あ、はい。昨日、打ち上げの前に。

―― 奥様からなにか言われましたか?
お疲れ様でした、と。

―― 打ち上げの後はどう過ごされましたか。
まあ、着物をたたんで寝ました。

―― 今後もタイトル戦が続きます。
そうですね。しばらくは重要な対局が続くので、引き続き緊張感を持っていきたいです。

E828

E819
(牛蒡)

一夜明けて(サイン帳)

羽生棋聖防衛の翌日、高島屋のサイン帳を見せていただきました。「高島屋と棋聖戦」の記事とあわせてお読みください。

E833

E834

E835 (羽生棋聖の五七五はめずらしい)
※日付不明。ただ、少なくとも森下六段のサインのうしろのページにあった。

E841

E845

E848
(牛蒡)

2015年7月15日 (水)

第86期棋聖戦閉幕

第86期棋聖戦は羽生棋聖の防衛で幕を閉じました。
今期もご観戦いただきましてありがとうございました。

Kif (第4局の棋譜)

(牛蒡)

共同インタビュー

感想戦後に羽生棋聖への共同インタビューがありました。

―― 今期で大山先生の7連覇を抜きました
羽生 私も大山先生の7連覇をリアルタイムで知っているわけではないので、感覚的にはピンとこないですが、たくさん記録を残されているので、ひとつ追い越すことができてよかったと思います。

―― 若い人とのタイトル戦は大変だと思うのですが、工夫されていることなどはありますか。
羽生 世代が違うと、局面をみたときのとらえ方や感覚に微妙にずれがあるので、あまり意表をつかれないようにと。そういうことは大事だと思っています。

―― (上の質問に続いて)終盤戦に関してはいかがですか。
羽生 あまり気にしても仕方がないので、思い切って指すように心がけています。

―― タイトル獲得数が92期になりました。100期に近づいています、
羽生 あと1期となれば意識もするでしょうが、いまの段階ではまだ先の話なので、現実味のある段階ではないのかなと思っています。

―― 本局の▲6二歩成について、羽生棋聖は感想戦で「恥ずかしい」という言葉を使っていましたが、それでも歩成りを決断した心境を教えてください。
羽生 その局面では歩成り以外に手がありませんでした。取られても大損で、あの局面はかなりダメというか、本譜のようになると思っていたので、仕方ないという気持ちで指していました。

―― 豊島七段が将棋を始めたきっかけが「羽生先生のテレビを見て」ということですが、それはご存じでしたか。また、そのような棋士が現れたことについての感想はありますか。
羽生 それは知りませんでした。私自身も棋士になって30年ですし、そういう人たちが現れても自然なことだと思っています。

C772 (インタビューを受ける羽生棋聖)

(牛蒡)

感想戦

C603

C681

C750

C757

C733

C688

C719

C759
(牛蒡)

終局直後

B556_2 (羽生棋聖は8連覇を達成した)

―― 相掛かりになりましたが
羽生 矢倉が続いていたので少し違うことをしようと。具体的な形は実戦の中で考えていきました。

―― 棋聖8連覇は歴代1位記録になります
羽生 終わったばかりで、まだ実感がありません。よかったなと思います。

―― 勝てば8連覇という意識はありましたか
羽生 本局は途中苦しいと思っていましたし、(勝てば8連覇という)そういうことを考える余裕はありませんでした。

―― タイトル戦でも若手との対戦続くようになりましたが
羽生 必然的なこと、自然な流れだと思っています。自分は一生懸命やっていくだけです。

―― シリーズを通して対局の感想をお願いします
羽生 1局目も2局目も非常にきわどい将棋でした。矢倉の古風な形になったので懐かしい思いで指していました。

―― 今後の目標を教えてください
羽生 ひとつひとつのことなので、棋聖戦に関しては来年の防衛戦を頑張るということですし、他の棋戦も防衛戦が続くので、そちらのほうに集中して、ということになります。

B550 (豊島七段はタイトルに手が届かなかった)

―― 今日の結果を振り返ってください
豊島 △6八歩と王手した手が悪かったです。(攻め急いだかと問われて)そうですね。

―― それまではいかがでしたか
豊島 はじめは桂損なので自信がなかったですが、意外に難しかったかもしれません。そのあとは分からなかったです。

―― タイトル戦としては3度目の挑戦、残念な結果になりましたが
豊島 前回の王座戦から(勉強方法や指し方など)いろいろとやり方を変えたのですが……。

―― シリーズを通しての感想は
豊島 先手で勝てなかったのはまずかったです。

―― 今後について
豊島 また工夫して頑張ります。

B537 (終局直後の様子)

B563 (あいさつのために大盤解説場へ。その後、対局室に戻って感想戦が始まった)

(牛蒡)

羽生棋聖が勝って防衛

Kisei2015071501019999手まで羽生棋聖が勝ちました。これにより3勝1敗で8期連続、通算14期目となる棋聖位防衛を果たしました。終局時刻は18時40分、消費時間は▲羽生3時間51分、△豊島3時間52分。

(八雲)

先手が抜け出す

0715_95 図から△4四歩▲同銀△5六銀不成▲同金と進みました。以下△5四金は▲4三桂が厳しく先手勝勢です。「△4七銀から△5八銀打が重かったか」と田中寅九段。△4四歩から△5六銀不成については「豊島さんがなにか錯覚しているはず」と続けました。


(牛蒡)

残り20分と30分

0715_86 図から▲4五飛△3八角成と進みました。駒割りは銀桂交換で後手が駒得。ただ、先手も手持ちの飛車で反撃する楽しみがあります。田中寅九段は「▲4五飛しかないのでは、まだ先手が苦しいのか」と話しています。△3八角成の局面で、残り時間は▲羽生20分、△豊島30分。


B535 (18時、対局室映像)

(牛蒡)

東京・将棋会館の解説会

東京の中継記者(野辺記者)から、阿久津八段と室谷女流初段の解説会写真が届きました。

0723 (解説は阿久津主税八段)

0722 (聞き手は室谷由紀女流初段)

0721 (解説会の様子)

(牛蒡)

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