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第87期棋聖戦挑戦者決定戦

2016年4月28日 (木)

五番勝負の日程

本日はご観戦ありがとうございました。本局のブログ更新は以上となります。
羽生善治棋聖に永瀬拓矢六段が挑戦する第87期棋聖戦五番勝負の場所と日程は以下の通りです。

第1局 6月3日(金) 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」
第2局 6月18日(土) 愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」
第3局 7月2日(土) 静岡県沼津市「沼津倶楽部」
第4局 7月13日(水) 島根県・隠岐の島「羽衣荘」
第5局 8月1日(月) 新潟市「高島屋」

20160428_kifu (本局の棋譜)

(銀杏)

感想戦写真

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20160428_nagase8 (感想戦後にテレビのインタビューを受ける)

(銀杏)

終局後インタビュー

20160428_nagase5 (インタビューを受ける永瀬六段)

―――本局を振り返っていかがでしたか。

永瀬「難しい局面からすぐ悪くしてしまいました。そのあと、△4三歩(60手目)と受けて、悪いなりに勝負かと思いました。そのあと好転したように見えましたが、また悪くしてしまいました。最後はたまたま自玉が不詰めだったので幸いしました」

―――羽生棋聖への挑戦が決まりました。

永瀬「挑決は3回目だったので、そろそろチャンスがあればいいなと思っていたので、結果が出てよかったです」

―――羽生棋聖に3戦負けなしですが、対策はあるのですか。

永瀬「いつも教わるつもりで指しているのがたまたま結果に出たのだと思います」

―――五番勝負への抱負をお願いします。

永瀬「そうですね。羽生先生に教わるのは1年間の目標なので、それができてよかったなと思います」

―――2004年奨励会入会組(永瀬拓矢六段のほか、菅井竜也七段、澤田真吾六段、斎藤慎太郎六段、佐々木勇気五段、竹内雄悟四段、石井健太郎四段、三枚堂達也四段がいる)では最初のタイトル戦登場です。

永瀬「今日もですが、内容が悪いことも多いので、内容をよくして結果が出ればよりよいなと。まずは自力をつけたいです」

―――タイトル戦は和服を着られると思いますが。

永瀬「和服はまだ何も持っていないのでこれから考えます」

20160428_murayama5 (敗れた村山七段)

―――今日を振り返っていかがですか。

村山「途中よくなったかなと思った局面はありましたが、△4三歩と打たれたところはまた難しくなったかなと。桂をさばいたあたりはまたよくなったように思いました。ですが、最後はすっぽ抜けてしまいました。何かあったかもしれませんがそこは残念です」

―――2年ぶりの挑戦者決定戦でした。

村山「今回こそは、と思っていたのですが、残念です」

(銀杏)

終局直後

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20160428_nagase4 (永瀬六段はインタビューが始まるまで厳しい表情だった)

(銀杏)

永瀬六段が挑戦者に

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△6七金(投了図)に村山七段が投了。永瀬六段が挑戦権を獲得しました。投了図以下は▲6七同飛△同歩成▲同飛成△7九飛▲8八玉△7八金▲同竜△同飛成▲同玉△5八飛が一例で、清算して先手玉は詰みです。
(文)

最後の突進

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図は107手目▲3二同銀成の局面。村山七段が3二の歩を取ったところです。▲6六飛成では△7四桂が厳しいため、適当な受けが難しい局面でした。
村山七段は最後の突進で詰みを狙います。しかし、後手玉は詰まないが控室の結論です。後手勝勢と見られています。

(銀杏)

19時50分ごろの控室

20160428_hikaeshitu5 (勝又清和六段が控室来訪。勝又六段は産経新聞で棋聖戦の観戦記を担当することも)

(銀杏)

双方残り10分を切る

20160428r

手数が100手になり大詰めを迎えつつあります。図は△6六桂と打ったところ。▲2六桂なら△6五桂と打って受けなしに追い込めます。
そこで示されているのは▲8四馬。▲6二飛の筋を作りながら馬を自陣に利かして頑張ろうという手です。先手は1七飛の横利きが通っているのも大きいです。時刻は19時30分を過ぎましたが、形勢はまだはっきりしていません。
村山七段は考慮中に残り10分を切り、▲5一馬と攻め味を見せながら▲6二飛の筋を作りました。▲8四馬よりも守りが薄いのがどう影響するか。永瀬六段は残り5分です。

(銀杏)

19時15分ごろの控室

対局を終えた中川大輔八段と高崎一生六段が控室を訪れました。(銀杏)

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20160428_hikaeshitu4

 

駒を遠ざける

20160428q図は89手目▲7六同銀の局面。残り時間は▲村山24分、△永瀬20分。
ここで△6八飛成▲同金△同角成と踏み込むのは、先手玉が詰めろではないので怖いところです。永瀬六段は△6二飛▲5一馬△8四桂。▲6二馬なら△7六桂から攻めていけます。これは先手の馬が急所から遠ざかっているので、後手が勝てそうです。第1図で△6八飛成と突っ込むよりもすぐれています。
後手有望と見られていますが、村山七段は△8四桂に▲7七歩の受けて反撃の機会を待ちます。

(銀杏)

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