【斎藤七段インタビュー】
――本局を振り返って。
斎藤 序盤は穴熊に組めて目標は達成できた。仕掛けが成立していたかは微妙だと思う。それ以降はあまり時間がなかったが、馬が攻防に利いて、いい感じだとは思った。
――いけると思った場面は。
斎藤 ▲7三金の局面で先手玉が一瞬安全になったので。勝ちかはわからなかったが。
――タイトル戦初勝利となった。
斎藤 これからも番勝負は続くので、気を引き締めて準備したい。
――第4局について。
斎藤 第1局と第2局は持ち時間を使いすぎた。本局くらいの配分で指していきたい。
【羽生棋聖インタビュー】
――本局を振り返って。
羽生 仕掛けられて、難しい形ではあるが、まとめづらい将棋になったかなと。△7七銀成から△7九金はたぶんよくなかったと思う。もう少しマシな手があった気がする。
――藤井システムの採用は予定か。
羽生 今日はこれでいこうと思った。
――藤井猛九段と自身が指した前例があった。
羽生 本譜とは手順がだいぶ違う。すでに想定から外れている部分もあって、修正して(前例と)同じ局面になったということ。
――次局に向けての抱負。
羽生 また新たな気持ちで次局を迎えたい。
羽生善治棋聖に斎藤慎太郎七段が挑戦する第88期棋聖戦五番勝負第3局は、18時41分に109手で斎藤七段の勝ちとなりました。斎藤七段がタイトル戦初勝利。消費時間は▲斎藤3時間55分、△羽生3時間38分。
第4局は7月11日に新潟市「高島屋」で行われます。
最終盤を迎えています。▲7三金(図)に「キツイ気がします」と屋敷九段。激戦でしたが、ついに先手が抜け出したかもしれません。少なくとも▲7三金は勝ちにいった手に間違いありません。残り時間は▲斎藤11分、△羽生35分です。
70手目△6八銀(図)は控室の検討にありました。以下▲8三桂△8二玉▲9一桂成は、△7七銀成▲同銀△7九金▲同金△7七馬▲8八銀△7九竜▲7七銀△7八金(変化図)で先手玉に必至が掛かります。後手玉は詰まず、これは振り飛車の勝ちになります。居飛車穴熊相手に振り飛車が攻め勝つ変化がありました。
実戦は図から▲3四馬としました。これで難しい勝負と見られています。▲3四馬は▲8三桂の筋が消える(△8三同銀▲7三桂に△5一金寄ができる)のがデメリットですが、自陣に利かして攻防手です。